豪雪

雪崩に巻き込まれるとどうなる?被害を避けるためにとるべき行動とは

わが国では、国土の約51%が豪雪地帯に指定されているほど降雪量が多いことから、雪崩による被害が後を絶ちません。

降雪量の多い地域に住んでいる方や、登山やスキーといったレジャーで豪雪地帯に訪れる人にとっては悩ましい問題ですよね。

この記事では、雪崩による被害を避けるための知識として、雪崩に遭遇した際の対処法を解説しています。

雪崩に巻き込まれた場合の生存率や、被害に遭った場合のリスクも解説しているので、雪崩災害の怖さを知ることができる内容になっています。

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過去に発生した雪崩による被害

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過去に死亡者をだした雪崩災害を見てみると、登山をしている最中に雪崩に巻き込まれる事例が一番多く、次いで工事現場に雪崩が押し寄せる被害が多く発生しています。

また、集落に雪崩が押し寄せる事例では、大正7年に新潟県南魚沼郡三俣村で発生した雪崩災害により、158人が犠牲になっています。これは、記録に残っている中で、国内で発生した最悪の雪崩災害です。

走行中の列車やトラックが雪崩に飲み込まれたり、雪崩により橋が崩壊し、列車が川に転落するという事故も発生しています。

他にも、スキー客が雪崩に巻き込まれたり、温泉施設に雪崩が押し寄せるという被害も発生していますね。

想定外の被害という事例もありますが、登山やレジャーは自らの判断でその場所に赴いているものです。ですので、積雪量の多い地域へ足を運ぶ際には、雪崩発生の可能性を想定しておくことが重要になってきます。

雪崩に巻き込まれた場合の生存率

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雪崩に巻き込まれた場合、一般的に最初の15分が最も重要とされています。その理由は、雪崩による死因で一番多いのが「窒息死」だからです。

体中が雪に覆われている状態では、十分に呼吸することができません。そのため、空気を確保できる15分間が重要とされるわけですね。

埋没後の15分間の生存確率は93%、35分を過ぎると34%と急激に生存確率が低下してしまいます。

ただし、このデータはカナダやスイスでの事例が元となっており、気温や雪質は日本とは異なるため、温暖な日本で雪崩に巻き込まれた場合、救出目標の時間は10分以内が妥当ではないか、という考えもでてきています。

いずれにしろ、雪崩に巻き込まれた場合には、現地の人間がいかに早く救助できるかが生存の鍵になるわけです。

雪崩による死因は、「窒息死」が75%、「致命的な外傷」が24%、「低体温症」が1%となっています。

雪崩による被害に遭った場合にはどうすればいいの?

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もし、自分や仲間が雪崩に巻き込まれてしまったら・・・。考えたくはないですが、万が一に備えて、被災した際の行動について解説していきます。

何もしないよりも、生存するために必要な行動をとることで、生存確率は変わってきます。

自分が雪崩に巻き込まれたら

何より大事なのは、エアポケット(顔周辺の空間)を確保することです。前の項目でも解説しましたが、雪崩による死因のほとんどが「窒息死」です。

小規模な雪崩や、頭部が埋没していない状況であれば身動きがとれますが、完全に埋没してしまうと指一本動かせない状態になってしまいます。

埋没してからのエアポケットの確保は困難なため、初動でエアポケットを確保できるかが生存の可能性を大きく左右します。

動ける状態の時になるべく空間を確保するのがベストですが、実際に雪崩に飲みこまれてしまうと、パニックになりそれどころではありません。手で口を覆うようにして、口や鼻周辺の空間を確保することを第一に考えましょう。

雪崩の流れが止まってしまうと、止まった際の圧力で雪が固まって身動きができなくなってしまいます。流れが止まっていない、動けるときに行動することが重要です。

仲間が雪崩に巻き込まれたら

慌てずに、流されている人を見続けましょう。これは、雪崩に巻き込まれた地点と、見えなくなった地点を確認するためで、埋没している地点を推測することができます。

雪崩が収まったら、巻き込まれた地点と見失った地点に、ポールなどの目印を立てましょう。そして、ビーコンやゾンデ棒を用いて、遭難者を捜索します。

ここで重要なのは、必ず1人は見張り役を付けることです。雪崩は一度で収まるとは限りません。二次災害を防ぐため、見張り役を付けることが重要になります。

救助の優先順位

はじめに、冷たい言い方になってしまいますが、雪崩とは、すべてを救うことが困難な自然災害です。そのため、助かる可能性の高い順番で救出することが前提となります。

例えば、人手の足りない状況で同時に2か所で遭難者を発見した場合、埋没している深度の低い方から救出します。救助までの時間が短いため、生存している可能性が高いためですね。

また、こうした災害の場合は、すぐに捜索隊に救助要請をだしたいものですが、救助活動ができる状態であれば、救助活動を優先しましょう。

理由は、生存確率が高いとされる15分では捜索隊の到着が困難なため、現地にいる人間で捜索に専念するしかないからです。

雪崩による被害に遭った場合のリスクを考える

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雪崩に巻き込まれた人を助けるための救助作業というものは、2度目の雪崩発生の可能性があり危険となります。過去には、救助作業中に発生した雪崩に巻き込まれ、死亡するという事例が発生しています。

そのため、再度雪崩が発生しそうであると判断した場合には、救助作業を行わないという選択肢も視野に入れましょう。

救助活動は重要な事ですが、そのために命を落としてしまっては元も子もありません。自分の身の安全を確保することが第一と考えましょう。自然の力というのは、それほど驚異的なのです。

雪崩による被害に遭わないために

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何より重要なのは、知識を身につけることです。これは、どの災害対策をするうえでも同じですね。

雪崩はどんな時に、どんな場所で発生しやすいのか、雪崩が発生する前兆となる現象を知れば、危険な場所を回避することができます。雪崩が想定される地域に住んでいる方であれば早急な避難ができますしね。

万が一雪崩が発生した時に備えて、連絡手段の確保や救助作業の手順、現場の指揮を誰がとるか、といった事前準備が重要になります。

また、ビーコンやゾンデ棒、スコップなどの装備品に不足はないか、必ず確認するようにしましょう。

まとめ

過去、幾度となく発生している雪崩災害。雪崩による犠牲者の75%は「窒息死」とされています。

一般的に、雪崩に巻き込まれた際には、生存率の高い最初の15分が最も重要とされています。これは、空気が確保できる時間であるためですね。

このことから、雪崩の被害に遭った場合には、エアポケットの確保が生存する可能性を高めることになります。万が一、自分が雪崩に巻き込まれてしまった場合には、エアポケットを確保するようにしましょう。

また、15分という短い時間の中で、埋没者を発見することが重要となるため、救助作業は現地にいる人間で行う必要があります。

ただし、再度雪崩が発生するという二次災害のリスクがあることを忘れないでください。自分の安全を確保することが最優先です。

雪崩による被害を避けるため、必要な知識を身につける、事前準備を怠らない、といった対策を必ず行うようにしましょう。

【この状況は危険!】雪崩が起こる4つの原因と前兆となる現象この記事では、雪崩が発生する原因と、雪崩発生の前兆となる現象を解説しています。積雪量の多い地域に住んでいる方、レジャー等で訪れる機会の多い方は、雪崩による被害を避けるための知識として役立ててください。...