豪雪

【雪崩災害に備えて】ビーコン・ゾンデ棒・スコップ以外に必要なもの

雪崩により全身が埋没してしまった人の救助には、一般的に生存確率が高い15分以内が目標とされています。これは、雪崩による死因の75%が窒息死であるためです。

救助を要請して捜索隊が到着するのを待っていたのでは、救助が間に合わない可能性が高いため、現場にいる人間で救助するしかないのが現実なのです。とはいえ、適切な装備がなければ救出に時間がかかってしまいます。

この記事では、雪山登山やバックカントリーの初心者に向けて、雪崩災害に備えて用意しておきたい装備品を紹介しています。

他にも、必ず加入しておきたい保険や、「装備を整えるお金がない!」という方でも、装備品を整えることができるサービスを紹介しているので、参考にしてみてください。

出典:https://www.photo-ac.com/

【装備を整える前に】雪崩災害に対する心構え

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どんなに経験を積んだ登山家であっても、装備が充実していても、雪崩に巻き込まれて命を落とすことがあります。

適切な装備を整えることで生存確率を上げることはできますが、自動車のシートベルトと一緒で、完全に命を守ってくれるわけではありません。

また、雪崩による埋没者の救助というのは、再度雪崩が発生する可能性があるため、危険な作業となります。そのため、状況によっては救助作業ができないこともあるでしょう。

自然災害とは驚異的なものです。雪崩に遭遇するかもしれない危険な場所に立ち入るということは、何かしたくても何もできない厳しい現実を目の当たりにする、ということを心に留めておきましょう。

雪崩災害に備えて用意しておきたいもの【ビーコン】

ビーコンは、雪崩に巻き込まれた埋没者の位置を特定するために必要となるものです。

通常、ビーコンからは電波が発信されており、雪崩による埋没者を捜索する際に「受信モード」に切り替えることで、ビーコンから発せられる電波を受信することができます。

何の目印もない状態で埋没者を探し出すのは困難なため、おおよその位置を特定することのできるビーコンは必須アイテムなのです。

性能・見やすさ・操作性で迷っているなら、こちらを選べば間違いありません。何より、初心者の方でも安心して使用できるのは心強いです。

デジタル・アナログの切り替えが可能なので、デジタル操作に慣れてきたら、アナログでの操作を覚えることで、捜索の幅を広げることができます。

ビーコンを扱う上での注意点

ビーコンを使用した埋没者の捜索には「慣れ」が必要になります。これは、ビーコンが発する電波の動きには特徴があるためですね。

ビーコンの操作方法をしっかり覚えたうえで、登山やバックカントリーを楽しむようにしましょう。

また、いざという時に使用できなければ意味がないですよね。バッテリーの残量は十分か、故障していないか、前もって確認しておくことを忘れないでください。

ちょっとした疑問

「電波の送受信ができるのは分かったけど、メーカーが違うことで送受信ができなくなる可能性があるんじゃ?」という疑問を持つ方もいるでしょう。

ビーコンから発せられる電波の周波数は、457khzに統一されています。ですので、メーカーが違っていても、電波を受信することができるので安心してください。

ただし、中古品を譲ってもらった等の理由で古い機種を使用しているという場合、古い機種によっては周波数が457khzではないことがあるため、古い機種を使用している方がいないか確認する必要があります。

いずれにせよ、このような事態も想定されるため、必ず仲間同士で動作確認のチェックを行うようにしましょう。

雪崩災害に備えて用意しておきたいもの【ゾンデ棒(プローブ】

ビーコンを使用した捜索は、埋没者のおおよその位置の特定になります。その後は、どの深さ・場所にいるか、より正確な位置の特定をする必要があります。

そこで必要になるのがゾンデ棒(プローブ)ですね。普段は折り畳まれていますが、伸ばすことで2~3mほどの長さの棒になります。

これを堆積した雪に刺すことで、埋没者の位置と深さを探るわけです。ゾンデ棒には長さを記した目盛りが付いているので、どの深さに埋没者がいるかわかりやすいよう作られています。

埋没者の捜索以外にも、雪山やバックカントリーで必須となる「ピットチェック(弱層テスト)」では、積雪の深さを測るのに使用できるので、必ず用意しておきたいアイテムですね。

ピットチェック(弱層テスト)とは?

積雪は強度の高い層や低い層からできており、雪崩は強度の低い層が崩れて滑り落ちることで発生します。ピットチェックとは、強度の弱い層(弱層)がないかをチェックすることです。

積雪の中に弱層があれば雪崩が発生する可能性が高いため、その場所は危険であると判断できるわけですね。

カーボンは軽量であり、強度がアルミ製より優れています。また、プルコードが大きな輪っかになっているので、手袋をしたままでも扱いやすいのが大きなポイントです。

さらに長いゾンデ棒を使用することで捜索範囲は広がりますが、掘り起こすという作業を考えると、この長さが現実的ではないでしょうか。

ゾンデ棒は長ければいいというわけではなく、その後の掘り出し作業ができなければ無意味になってしまいます。自身の技量と体力を加味したうえで、救助可能な深度を探れる長さのゾンデ棒を選ぶことが大切です。

雪崩災害に備えて用意しておきたいもの【スコップ】

雪崩により堆積した雪というのは、流れが止まった際の圧力で固くなっています。なんの道具もなしに固まった雪から掘り起こすのは、体力を消費するだけでなく、救助に時間がかかることから、埋没者の生存率を下げることにつながります。

そのため、雪を掘り起こすための道具は、埋没者を救出する上で必須となるわけですね。

また、ピットチェックをするための雪柱の掘り出しにも役立つため、スコップも必ず用意しておきましょう。

収納の際には嵩張りますが、組み立て時のサイズは94cmと長く、「D型」の取っ手なので、腰に負担が少なく力を入れやすいことから、掘り出し作業が楽に行えます。シャフトの部分はアルミ製なので、固い雪で折れる心配はありません。

また、ブレードはフラットになっているため、ピットチェックのための雪柱が作りやすいという特徴があります。

ブレードの部分をクルッとひっくり返して組み立てれば、鍬(くわ)としても活用できることから、雪の掘り出し作業にうってつけのスコップですね。

雪崩災害に備えて用意しておきたいもの【アバランチエアバッグ】

アバランチエアバッグとは、ザックにエアバッグが内蔵されたもので、雪崩に巻き込まれた際にエアバッグを展開させることで生存率を上げるものです。メリットとしては、

アバランチエアバッグのメリット
  • 木や岩に衝突した際の外傷を防ぐ
  • エアバッグで浮くことにより、雪に埋没する可能性を減らす
  • エアバッグが展開した分、埋没した時にエアポケットを確保できる

があります。エアバッグを展開できた場合、死亡率を50%軽減できるとされていますが、デメリットも存在します。

アバランチエアバッグのデメリット
  • 高価である
  • 実際に展開させるには訓練が必要
  • エアバッグが内蔵されることにより、収納が圧迫される

ネックなのは、高価であることと、訓練が必要であることですね。この条件をクリアできるのであれば、アバランチエアバッグはオススメできる装備品です。

生存率を上げてくれるアバランチエアバッグですが、問題点もあります。それは「認知バイアス」ですね。

「優れた装備品を装備しているから多少危険な事をしても問題ない」という思考に陥ってしまう可能性があるため、装備品が仇になってしまうことがあります。

アバランチエアバッグを装備していても、展開できなければ意味がありませんし、展開できたとしても100%助かる保証はありません。

最初の項目で解説した「雪崩災害の心構え」を見直したうえで、アバランチエアバッグを装備するか決めてみてください。現状では、トレーニングに手間のいらない「電動式」を勧めます。

電動式なので、ガス式と違いボンベの用意・使用後の再充填の必要がないのが大きなポイントです。展開後、3分でエアバッグが収縮するので、埋没した際に身動きがとれない状況でもエアポケットを確保することができます。

1回の充電で3~4回使用できることで、ガス式と比べてトレーニングをする際の手間が少ないという大きなメリットがあります。

肝心のエアバッグの収納ですが、展開して3分後にエアバッグが収縮したら、収納スペースにぶち込むだけなので、折り畳むといった手間は必要ありません。ちなみに、再展開することもできますよ!

さらに、アプリのダウンロードとBluetooth接続で、オンラインでのアップロードが可能なので、アップデートの都度、メーカーに送る手間が省けるのは助かりますね。

雪崩災害に備えて用意しておきたいもの【スノーソー】

スノーソーは、その名の通り雪を切るためのものです。「雪なんか切ってどうするの?」と疑問に思うでしょう。

ピットチェックをするための雪柱を作るには、周囲の雪を取り除く必要があります。スノーソーで切り込みを入れることで、きれいに周囲の雪を取り除くことができるわけですね。

ピットチェックは雪崩を避けるために必要となる作業です。また、雪をブロック状に切って積み重ねることで防風壁を作ることができますし、雪だけでなく木の枝も切ったりと使い道は多岐にわたります。

身を守るための道具として、便利グッズの一つとして、スノーソーは用意しておきましょう。

価格、切れ味ともに文句なしです。土木用でありながら、その使い勝手の良さからスノーソーとして使用している人がいるほどです。

難点は、鞘を含めると約400gと他のスノーソーと比べて重いことですね。鞘を軽いもので代用することにより重さを抑えることができます。

中には、替刃(重量約90g)だけを購入して持ち手と鞘を自作する強者がいることから、カスタマイズを楽しめるスノーソーです。

雪崩に備えた装備品はレンタルできる

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本来であれば、自分で道具を揃えて使い方に慣れるのがベストですが、これまで紹介してきた装備品を揃えるのには、お金がかかるというのも事実です。

「年に1回程度しか行かないのに、そんなにお金をかけたくない」「始めたばかりだから道具を一気に揃えるのは難しい」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

そんな方には、装備品のレンタルをオススメします。例えば、ビーコン・ゾンデ棒・スコップの3点セットを用意したい場合、1日数千円でレンタルできるので、費用をかなり抑えることができますね。

他にも、登山やバックカントリーで必要な装備一式のレンタルを行っている所もあるので、何も購入しなくてもレンタルだけで装備を揃えることができます。

「やまどうぐレンタル屋」では、レンタル品の受け取り・返却は宅配便で行えるため、店舗に直接足を運ぶ手間がありません。

利用日の前日までのキャンセルは、キャンセル料なしで全額返金してくれるため、悪天候や体調不良といったトラブルが起きても安心です。

また、レンタルでは試着ができないため、サイズを間違えた、合わないといった場合でも再送が可能なのは嬉しいサービスですね。


「そらのした」では、トップブランドによる高性能な商品を取り扱っているので、品質は折り紙付きです。

この品質を支えているのが、プロによるメンテナンスです。「安いから」とレンタルしてみたものの、汚れた物が届いたら嫌な気分になりますよね。

「機能性・清潔さ・物のよさ」に重点を置いている「そらのした」では、どこよりもメンテナンスに時間をかけています。安心して気持ちよく使用できる、というのは使う側にとって何よりも気になるところです。

もちろん、レンタル品の受け渡し・返品は宅配便で行えるので、店舗に足を運ぶ必要はありません。

「登山用品レンタルなら豊富な品揃えそらのした

雪崩災害に備えて保険の加入を

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雪山登山やバックカントリーを行う際に忘れてはいけないのが、救助作業にかかる費用です。管理された場所では味わえないスリルや景色を味わえますが、管理されていないからこそ、有事の際には自己責任となります。

「救助ってお金とられるの!?」と感じるかもしれませんが、救助ヘリや救急車を動かせば燃料費や消耗費は必要になりますし、救助隊の人件費だけでなく、危険を伴う作業になるため、救助隊の保険代もかかります。

場合によっては、100万円を超える請求がくることもあるでしょう。危険な場所に足を踏み入れるということは、命だけでなく金銭面でのリスクも負うことになります。

ですので、救助が必要になった時に備えて、金銭面の助けとなる保険の加入は必須となるわけです。

どんな保険に加入すればいいの?

火災保険や生命保険では、救助作業にかかる費用というのは補償してくれないものです。「じゃぁ、どの保険に入ればいいのさ?」と疑問に思いますよね。

「救援者費用」が保証されている保険に加入することで、遭難や雪崩に巻き込まれた際の救助費用をカバーすることができます。

最近加入者が増加している「自転車保険」、ひょっとしたらこの記事をご覧になっている方で加入している方がいるのではないでしょうか。

もしご加入している保険の中に「救援者費用」を保証してくれるサービスがあれば、そちらを利用することで救助費用をカバーすることができます。

保険に加入していない方であれば、「登山保険」で検索してみてください。様々な保険会社がありますので、自分に合った保険に加入しましょう。

併せて加入しておきたいサービス

ここで一つ、想像してみてください。もし、あなたが救助隊だったとしたら、電話で話した情報だけで遭難者を発見することはできますか?・・・無理ですよね。

救助を要請しても、早期に発見してもらえなければ生存率は下がってしまいます。そこで、遭難者の発見に役立つサービスに「ココヘリ」というものがあります。

ココヘリでは専用の発信機を身につけることで、独自のネットワークを駆使して、ヘリによる遭難者の早期の発見をすることができます。

遭難者の場所が特定でき次第、速やかに救助団体への引継ぎがされるので、救助までの時間が格段に短縮されるわけです。

個人的に助かるサービスだと感じたのが、「個人倍書責任補償」ですね。アウトドア活動中に、第三者に対する損害賠償責任が発生した場合、最大で1億円まで保証してくれます。

万が一、自分の過失で第三者に重大な事故や、命を奪ってしまうようなことがあれば、一生残る責任となってしまいます。自動車保険でも同様ですよね。

もしもの時に備えて、救援者費用をカバーしてくれる保険と併せて、「ココヘリ」への加入を強く勧めます。

「ココヘリ」の加入はこちらから

まとめ

雪崩災害は生存率の低い自然災害ですが、適切な装備を整えることで生存確率を上げることができます。そのため、雪山登山やバックカントリー等で、危険な場所へ訪れる際には必ず用意しておきたいものです。

  • ビーコン
  • ゾンデ棒(プローブ)
  • スコップ

この3つは、雪崩に巻き込まれた埋没者を救助するために必要となるため、最低限用意しておきたいですね。

他にも、救助を要請した際の費用をカバーしてくれる保険の加入も必須といえるでしょう。

自己管理が前提となるレジャーだからこそ、自分と仲間の身を守るための準備だけは怠らないようにしましょう。

雪崩に巻き込まれるとどうなる?被害を避けるためにとるべき行動とはこの記事では、雪崩による被害を避けるための知識として、雪崩に遭遇した際の対処法を解説しています。また、雪崩に巻き込まれた場合の生存率や、被害に遭った場合のリスクも解説しているので、雪崩災害の怖さを知ることができる内容になっています。...