この記事では、備蓄の必需品ともいえるカセットコンロについて、なぜオススメの備蓄品なのかを解説しています。
他にも、カセットボンベの必要な備蓄量、保管方法や使用上の注意点、カセットコンロの意外な落とし穴も紹介しています。
普段使用しているカセットコンロにも当てはまることを取り上げているので、安全に使用するため、チェックしてください。
出典https://www.photo-ac.com
目次
カセットコンロの備蓄をおすすめする3つの理由
理由① 電気・ガスが使えない時の代わりになる

災害により電気・ガスが使用できなくなったら、ガスコンロとIHコンロが使用できなくなってしまいます。普段家事をしている人にとっては、調理をするうえでコンロの大切さは身に染みてわかりますよね。
カセットコンロはそんな状況でも使用できる唯一のコンロです。カセットボンベさえあればいつでも使えるのがカセットコンロの最大のメリットです。
他にも、お湯を沸かしたり煮沸消毒をすることができるのもポイントですね。寒い時期なのにお風呂に入れない状況でも、タオルを温めて体を拭くことができます。
理由② 災害時には誰でも必要になる

「普段料理をしないから関係ないや」と思っていても、非常食を温めたりインスタント食品を作るためにお湯を沸かしたりと、カセットコンロが必要になる機会は必ず出てきます。
コンビニや外食で済ませようとしても、大規模な災害になるとお店は開いていないので、食事の用意は自分でなんとかするしかないのが現実です。
料理をする・しない関係なく、カセットコンロは災害時において必ずあなたの役に立ちます。
理由③ その場では手に入らない

2019年9月に発生した台風15号では、千葉県を中心に甚大な被害を及ぼしたこともあり、翌月に発生した台風19号の際は、台風が直撃する前に買い物をする人がたくさんいました。
その中でも、カセットコンロはすぐ品切れになるほどで、欲しいけど手に入らなかった人が大勢いたそうです。つまり、それほどカセットコンロを備蓄している人が少ないということですね。
突然の災害でライフラインがストップしても、その場で対処できるというのが、備蓄をすることの最大のメリットなのです。
【要注意】カセットコンロとカセットボンベの使用期限
カセットコンロとカセットボンベには使用期限の目安があるのをご存知ですか?カセットコンロは製造日から10年、カセットボンベは製造日から7年を目安としています。
カセットコンロには、カセットボンベを装着する部分にガス漏れを防ぐ「Oリング」と呼ばれるゴムが入っています。使用期限が過ぎると、経年劣化でOリングが破損・変形する恐れがあるためなんですね。
また、保管状況によっては、使用期限前でもボンベ本体に錆が発生することがあります。そうなると、ガス漏れの恐れがあるため、錆びの発生したカセットボンベの使用は絶対にやめましょう。
すでにカセットコンロ・カセットボンベを持っている方は、それぞれの使用期限を確認して、使用期限が過ぎている場合は安全のため、買い替えを視野に入れてみてください。
災害時に役立つおすすめのカセットコンロはこれ!
ここでは、電気・ガスの使えない状況で役立つカセットコンロを紹介しています。「カセットコンロの種類が多すぎて、どれを選んでいいのか迷う」という方は、参考にしてみてください。
日常で使用しているガスコンロやIHコンロと、同等の性能であることをポイントとして選んでいます。
おすすめのポイント① 火力が強い
何と言っても「火力が強い」の一言です。カセットコンロはガスコンロと比べると、どうしても火力の面で劣ってしまいます。
カセットコンロだけで調理しなければいけない状況で、一人分の食事ならまだしも、家族がいれば家族分用意しなくてはいけません。そうなると、ある程度の火力が必要になってきます。
例えば、カレーなど作りおきのできる料理では、作る量が多いほど水を必要とします。弱い火力では沸騰させるまでにかなりの時間が必要です。
強い火力は調理時間の短縮にもなります。ただでさえ災害時で戸惑っているのに「ご飯まだー?」と言われるとストレスが溜まりますよね。
おすすめのポイント② ガスコンロと比較
一般家庭で使われるガスコンロの最大火力は4.2kwです。一方『カセットフーBOex』の最大火力は4.1kwです。家庭で使用するガスコンロの火力と同等なのがわかりますね。
ちなみに、ガスコンロの中火は約3kwです。カセットコンロは2.9~3.5kwのものが多いので、ガスコンロの中火くらいの火力が一般的なカセットコンロの最大火力となります。
様々なカセットコンロの中で、最大火力4.1kwは『カセットフーBOex』だけです。災害時でもガスコンロと同等の性能で使用できる唯一のカセットコンロなので、違和感なく調理することができるのがポイントです。
おすすめのカセットコンロを実際に使ってみた感想
試しにガスコンロと並べて最大火力を比べてみましたが、まったく一緒でした。実際に料理をしてみましたが、火力に関しては申し分ないです。
『カセットフーBOex』には「風よけ」があり、フライパンを振る時に邪魔になるかな?と感じたのですが、フライパンを振っても風よけにあたらないので、邪魔にはなりません。
他に気になった点として、調理中に地震が起きた場合の安全装置はあるのか調べてみましたが、市販されているカセットコンロには衝撃感知で消化する安全装置は付いていませんでした。着火時に振ってみましたが消えませんでした。(※絶対にマネしないでください)
大規模な地震の場合には、強い余震が起こる可能性があります。ですので、災害時にはテーブルの上など安定する場所で調理するのが安全ですね。
また、カセットコンロには専用のケースが付属しているので、保管も持ち運びも楽です。災害が起きて電気・ガスが使えないことを考えると、備蓄しているだけでかなり安心できます。
ちなみに、屋外で使用するとカセットコンロの足が熱で溶ける、風よけの効果が弱いというレビューを目にしました。屋外で使用していないので何とも言えないのですが、家の中で使用している分には足が溶けることはなかったです。
普段の生活で、「アウトドアでも使用したい!」という方は、火力を少し落とす、風よけは補助的なもの、という点に注意してください。
カセットボンベの必要な備蓄量

当サイトでは、僕自身の被災経験をもとに、激甚災害を想定して『最低でも1週間分』の備蓄を推奨しています。
では1週間で何本のカセットボンベが必要なのか、気温が10℃で大人2人の場合を想定して算出してみましょう。
- 食事用 1日3回:0.7本
- 飲み物用 1日3回:0.2本
- 洗浄用 1日3回:0.4本
- 合計1.3本×7日=9.1本
参考:岩谷産業株式会社 ホームページ よくあるご質問>カセットボンベ
上記の条件をもとにすると、気温が10℃で大人1人の場合、1週間で約4.6本必要となります。ですが、カセットボンベは気温が低くなるにつれ、ガスの消費量が増えます。
真冬でさらに気温が低いことを考慮すると、大人1人当たり6本が必要な備蓄量です。3人家族であれば18本、5人家族であれば30本がカセットボンベの必要な備蓄量となります。
【意外な落とし穴】カセットコンロは2台用意するのがおすすめ

電気・ガスが使えなくなると、カセットコンロのみで調理しなくてはいけません。想像してみてください、『一口しかないコンロ』で炊飯からおかずまで作るとしたら、どれほどの時間と手間が必要になるでしょう?
普段コンロでお米を炊くことのない「炊飯」が意外な落とし穴です。なので、おかず用のカセットコンロの他に、炊飯をするためのカセットコンロを1台備蓄することを強く勧めます。
炊飯用のカセットコンロは火力を重視しなくても問題ありません。『カセットフーBOex』と同じカセットボンベが使えれば、使いまわしができるので無駄がないですね。安価なものではこんなものがあります。
「直火での炊飯って土鍋とか必要なんじゃない?」と思うかもしれませんが、フライパンや片手鍋でも炊飯できます。無理に土鍋を用意する必要はないので安心してくださいね。
鍋やフライパンを使用した炊飯の仕方は、こちらの記事で紹介しています。

【事故を防ぐために】カセットコンロの使用上の注意点

カセットコンロを使う上で注意したい点があります。一つは、大きすぎる鍋や鉄板を使用しないことです。
カセットボンベの上に被さるほどの大きな鉄板で調理した場合、鉄板の熱がカセットボンベへ伝わりカセットボンベが爆発する可能性があり大変危険です。実際、そのような事例は少なくありません。
もう一つは、錆びたカセットボンベは使用しないようにしましょう。長期間保存していると、条件によってカセットボンベが錆びてしまうことがあります。
「ガス漏れしてないし、もったいないから使ってしまおう」と考える気持ちはわかりますが、錆びた箇所は極度にもろくなります。使用している最中に穴が開いてしまう可能性があるので、絶対に錆びたカセットボンベを使用するのはやめましょう。
【ガス漏れ防止】カセットボンベのおすすめの保管場所

直射日光のあたらない、湿気の少ない場所で保管するようにしましょう。除湿剤が置けるクローゼットや納戸がオススメです。
台所の床下収納は浸水が起こった事を考えると不安ですし、キッチンは湿気の溜まりやすい場所なのでオススメできません。
出し入れが多少面倒でも、クローゼットや納戸に保管しておくのが長期間の保管に適しています。その際、ダンボール箱に入れておくと、衝撃による変形や外気にさらされるのを防いでくれます。
また、カセットコンロにボンベをつけっぱなしにするのも、ガス漏れの原因となるのでやめましょう。
カセットボンベは専用のものがおすすめ

カセットボンベは様々なメーカーが販売しており、中には100均で買うこともできます。安いものを買いたくなりますが、カセットコンロに使うカセットボンベは専用のものを使用することをオススメします。
例えば、100均で売っているカセットボンベ。ボンベの注意書きに「専用のコンロ以外で使用しないで下さい」と書いてあるのに気が付いているでしょうか?
メーカーはカセットコンロが安全な商品なのかを検査する際に、カセットボンベとセットで検査します。その検査で使用したボンベが、カセットコンロの専用のボンベとなるんですね。
ですので、100均で売っているボンベにも必ずセットになる燃焼器具があります。セットじゃないボンベを使うとガス漏れや着火しないといった可能性があるので、必ず専用のカセットボンベを使用するようにしましょう。
当サイトで紹介しているカセットコンロで使用できるカセットボンベはこちらです。
ちなみに、他のメーカーのカセットボンベを装着しても使用することはできます。理由は、カセットボンベの容器はJIS規格で統一されているからです。
ですが、専用のボンベ以外のものを使用して故障や事故が起きてもメーカーの保証外となり、完全に自己責任となってしまうのでお勧めはできません。
まとめ
災害により電気やガスが使えない状況でも、場所を選ばずに使用できるのがカセットコンロの大きな強みです。
ですが、その時になって買い求めようとしても、品薄により手に入らない可能性が非常に高いです。そのために備えておく必要があるわけですね。
また、カセットボンベの備蓄も忘れないようにしましょう。1週間で大人1人当たり6本を目安として、家族分の量を揃えましょう。保管する際は、クローゼットか納戸がオススメです。
食事は生きていく上で必要なもの。そして、災害時には自分で食事を用意しなくてはいけません。調理に必要となるカセットコンロは、必ず備蓄しておきましょう。
