豪雪

【この状況は危険!】雪崩が起こる4つの原因と前兆となる現象

雪崩の発生する原因は多様であることから、雪崩が発生しやすい場所へ近づくということはいかに危険であるかが分かります。

毎年のように発生している雪崩による被害から身を守るため、雪崩が起こる原因や前兆となる現象を知ることは重要なことです。

この記事では、雪崩が発生する原因と、雪崩発生の前兆となる現象を解説しています。積雪量の多い地域に住んでいる方、レジャー等で訪れる機会の多い方は、雪崩による被害を避けるための知識として役立ててください。

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【原因を知る前に】雪崩について知ろう

雪崩とは、「斜面上にある雪や氷の全部、または一部が肉眼で識別できる速さで流れ落ちる現象」のことを指します。

雪崩は積雪が崩れて動き始める「発生区」、雪崩が通る「走路」、流れ落ちた雪が積み重なる「堆積区」からなっており、堆積した雪のことを「デブリ」と呼びます。

表層雪崩と全層雪崩

雪崩には、古い積雪の上に積もった新雪が滑り落ちる「表層雪崩」と、地面の上に積もった積雪が滑り落ちる「全層雪崩」があり、この2つは特徴が大きく違います。

表層雪崩は気温の低い時期に発生しやすく、滑り落ちる速度は時速100~200kmと、新幹線並みの速さです。

全層雪崩は気温の高い融雪期に発生しやすく、滑り落ちる速度は時速40~80kmと、自動車並みの速さです。

また、滑り落ちた雪の到達範囲は、新雪が滑り落ちることから煙状になりやすく、速度もあるため表層雪崩の方が流れる距離は長く、全層雪崩は地面との摩擦や湿った雪質のため、距離が伸びない特徴があります。

雪崩が起こる原因【気象状態】

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気温が低く、積雪量が多い時には雪崩が発生しやすいものです。例えば、すでにある1mの積雪の上に、30cm以上の降雪が短期間で起こった場合には危険とされています。

さらに、このような状態で吹雪や強風が起これば、風によって雪崩となることがあります。地震による地面の揺れなどの自然現象によって誘発されることもありますね。

また、春先などの気温が高くなる季節にも注意が必要です。溶けた雪や雨により流れた水が、地面と積雪との間に隙間をつくることで雪崩が起こりやすい状態となります。

雪崩が起こる要因【地形】

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雪崩は重力の影響により発生する自然現象です。そのため、斜面が急であればあるほど発生しやすくなります。

最も発生事例が多いのは、斜面の勾配が35~45度の場所であり、次いで30~35度です。

他にも、植生林の状態によって雪崩の発生は左右されます。高い樹木が密集している場所では、地面の積雪量が少なく、樹木が壁の役割を果たしてくれるので雪崩が発生しにくいものです。

注意したいのが草地で、草が地面と積雪との間に隙間をつくるだけでなく、摩擦を減らしてしまうため、何もない裸地より雪崩れを誘発しやすいという特徴があります。

雪崩が起こる原因【人為的要因】

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雪崩は人為的に引き起こされることもあります。例えば、集団で登山をする、雪をかき分ける、転倒する、といったように斜面に積もった雪に刺激を与えることで雪崩が発生することがあります。

他にも、樹木や崖等に張り出している積雪を落としてしまったり、銃声による振動によっても発生するため、雪山での行動には注意が必要です。

雪崩の原因となる『弱層』ってなに?

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弱層とは、雪同士の結合が弱いため上層にある積雪を支える力が弱い層のことです。表層雪崩は、この弱層がすべり面となって上層の雪が一気に雪崩れます。

弱層には5つの種類があり、「新雪」「表面霜」「霜ざらめ」「あられ」「濡れざらめ」と呼ばれる特殊な結晶形の雪からなっています。

弱層が起点となって発生する雪崩は、何の前触れもなく発生し、規模・範囲・破壊力が大きく、大災害となりやすいため注意が必要です。

雪崩が起こる前兆

雪崩の前兆となる現象が分かれば、どんな場所が危険であるか判断することができます。ここでは、雪崩の原因となる現象を6つ解説します。

雪庇(せっぴ)

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雪庇とは、山の山頂や尾根から雪がせり出している状態のことです。よく見かけるものだと、屋根に積もった雪の一部が、屋根からせり出しているものも雪庇ですね。

雪庇は自重で崩落するまで大きくなるものです。やがて崩落した雪の塊が積雪の上に落ちることで、雪崩を引き起こしてしまうのです。

風が一方方向に吹き続けることで、風下に雪の塊が少しづつ形成されていきます。雪庇の下には何もないので、誤って雪庇の上を歩いて滑落するという事故も発生しているため、侮れない自然現象といえるでしょう。

巻きだれ

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張り出した雪の塊が、下に巻くように垂れ下がった状態を巻きだれと呼びます。雪庇と呼んでいる場合もありますね。

これも降雪地帯で見られる現象で、屋根から張り出した雪が崩落せずに下に垂れ下がるように固まっている状態が巻きだれです。

雪庇と違うところは、雪の塊の強度が高く、崩落した雪の塊だけでも被害が発生する可能性があります。

同じ雪の塊でも、強度の高い方が威力は勝るため、雪崩を誘発しやすいということですね。

斜面が平らになる

平らに積雪出典:国土交通省ホームページ https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sabo/nadare.html

斜面が平らになるほどの積雪は、歩く方からすれば助かるのですが、元の地形がわからなくなるほどの積雪なので危険な場所になります。

雪が積もりにくいとされている急斜面では、降雪時の風の向きによって斜面の一部が平らになることがあり、この吹き溜まりが雪崩を引き起こす要因となります。

表層雪崩が起きやすいとされる現象なので、家の裏山などでこの現象が見られたら要注意です。

スノーボール

スノーボール出典:国土交通省ホームページ https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sabo/nadare.html

雪庇や巻きだれなどの一部が落ちてきたもので、斜面をボールのようにコロコロ転がる雪の塊です。

大きな雪の塊ではないため、雪崩とは関係ないものと思ってしまいがちですが、スノーボールが多く見られる時は、雪崩が発生する前兆であるため注意が必要です。

スノーボールが見られるということは、雪庇等の崩落が始まっており、大きな雪の塊が落ちることで雪崩が発生する可能性が高いためですね。

クラック

クラック出典:国土交通省ホームページ https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sabo/nadare.html

斜面にひび割れのような雪の裂け目ができることをクラックと呼びます。雪の裂け目が大きくなると、全層雪崩が発生する前兆となるため危険な現象といえるでしょう。

クラックは、積雪が動き始めているために起こる現象なので、何かのきっかけで一気に雪崩れ始める可能性が高いです。

雪しわ

雪しわ出典:国土交通省ホームページ https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sabo/nadare.html

積雪の表面が、波打っているかのような状態になることを雪しわと呼びます。クラックと同様に、全層雪崩が発生する前兆となります。

気温の上昇などで積雪がゆるみ、少しずつ動いている状態なため危険なわけですね。雪しわの場合、積雪が少ない状態でも雪崩となることがあるので注意が必要です。

まとめ

雪崩は、「気温が低く積雪が多い」「気温の高く雪がゆるみやすい」気象状況や、「斜面の勾配が35~45度」「草地」といった地形が要因となって発生します。

このような場所には近寄らないことが一番なのですが、どうしても行く必要がある際には、雪崩の前兆となる現象に注目してみましょう。

「雪庇」「巻きだれ」「斜面が平らになるほどの積雪」「スノーボール」「クラック」「雪しわ」といった、雪崩発生の前兆となる現象が見られた際には、避難することが重要です。

また、銃声や集団で登山するなど、積雪に刺激を与えることによって発生する人為的要因もあるため、積雪の多い場所へ行く際には十分に注意をしてください。

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