大雨・豪雨

集中豪雨の原因は『雲』の親子関係?~増加する豪雨災害に備えて~

暖かい季節になると、集中豪雨による災害のニュースを見かけますよね。この集中豪雨、なぜ発生するのか気になるところです。

この記事では、集中豪雨が発生する原因について解説しています。具体的には、集中豪雨をもたらす『雲』とはどんなものかですね。

他にも、集中豪雨をもたらす『雲』の親子関係について解説しているので、ニュース等で耳にする言葉の意味が理解できる内容になっています。

災害対策をするうえでその現象について知ることは重要です。知識を深めるため、当記事を役立ててください!

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集中豪雨の原因となる積乱雲とは?

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積乱雲とは、激しい気象現象を引き起こす雲のことです。大雨や雷、突風などを引き起こすため、災害への警戒が必要となります。

積乱雲が発生する原因は様々ですが、多くの場合3つの条件が揃うことにより発生するとされています。その3つの条件とは、

  1. 暖かく湿った空気の発生
  2. 大気の状態が不安定である
  3. 上昇気流の発生

です。私たちがよく目にする通常の雲と違うところは、縦に大きく成長するという特徴があるところですね。この特徴がどう大雨とつながるのか解説していきます。

積乱雲が大雨を降らせる理由

雲は地上にある水蒸気を含んた空気が上空で冷やされることによって、水滴や氷の粒となったものです。この水滴や氷の粒がある程度の大きさになると地上へと降ります。雨が降る仕組みですね。

積乱雲の中では強い上昇気流となっているため、通常落ちるはずの水滴や氷の粒は風で押し上げられることで落ちずに成長を続けます。

積乱雲が縦に大きく成長するのはこのためです。やがて、大きくなった水滴や氷の粒は上昇気流でも支えきれなくなり、一気に地上へと降りそそぐことで大雨となるのです。

集中豪雨の原因となるのは積乱雲の世代交代

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長時間にわたり大雨を降らせる集中豪雨は、積乱雲が世代交代することにより発生します。世代交代って何?と疑問に思いますよね。

世代交代とは、1つの積乱雲から別の積乱雲が生まれることで、積乱雲が集団発生することを指します。

およそ30分~1時間程度の短い寿命である積乱雲であっても、世代交代を繰り返すことで長時間にわたる大雨を降らせることができるわけですね。このような、積乱雲の群れができることによって長時間の強い降水となる地域を「線状降水帯」と呼びます。

この線状降水帯には3つの種類があります。それぞれどのようなものか解説していきますね!

積乱雲の世代交代『バックビルディング型』

日本で発生している集中豪雨の多くは、バックビルディング型とされています。バックビルディング型とは、すでに発生している積乱雲が風に流される際に、積乱雲の後ろ側に新しい積乱雲が発生するものです。

簡単に言えば、積乱雲が一直線に並んでいる状態ですね。流された積乱雲の場所に新しく積乱雲が生まれることで、局地的に長時間続く大雨となるのです。

バックビルディング型の特長としては、風に対して水平に積乱雲が生まれます。そのため、積乱雲の後ろ側(風上側)にのみ積乱雲が生まれるのです。

積乱雲の世代交代『バックアンドサイドビルディング型』

こちらは2方向からの風の流れにより、横と後ろに積乱雲が発生するものです。地上に近い場所で吹く風(下層風)に対して、上空で吹く風(中層風)が直角の方向に吹くため、積乱雲は2方向へと広がるわけです。

直線のバックビルディング型と比べて、バックアンドサイドビルディング型は三角形のように広がる特徴があります。真上から見るとこんな感じですね。

積乱雲の世代交代『スコール型』

スコール型は線状降水帯の中でも特殊で、集中豪雨を伴わないものになります。ただし、雷雨や突風といった激しい気象現象を引き起こすので注意は必要ですね。

バックビルディング型やバックアンドサイドビルディング型は、親となる積乱雲の後ろに子供ができるため、親の後に子が同じ地域を通過することにより長時間の大雨となります。

一方、スコール型は親となる積乱雲の横に子が生まれるため、親の後ろを付いていくわけではなく、親と横並びで通過します。同じ地域で積乱雲が連続して通過しないので集中豪雨とならないわけですね。

少しわかりにくいと思うので横断歩道を例に出しましょう。親の後を子が付いていくのがバックビルディング型、親と手をつないで横断歩道を渡るのがスコール型ですね。

集中豪雨の増加は温暖化が原因?

近年では集中豪雨が増加傾向にあります。原因の1つに温暖化が挙げられますが、果たして温暖化と集中豪雨の増加は結び付くのでしょうか?

ここで、最近10年(2010~2019年)とアメダスによる観測が始まった10年(1976~1985年)の年間平均の気象状況を比べてみましょう。

1976~1985年 2010~2019年
1時間降水量50mm以上の年間発生回数 約226回 約327回
日降水量200mm以上の年間日数 約160日 約262日

過去と比べると降水量だけでなく降水の回数が増えているのがわかりますね。今度は最近30年(1990~2019年)と過去30年(1910~1939年)の気温の違いを見ていきましょう。

1910~1939年 1990~2019年
真夏日(日最高気温30℃以上)の年間日数 約35日 約41日
熱帯夜(日最低気温25℃以上)の年間日数 約9日 約23日
冬日(日最低気温0℃未満)の年間日数 約67日 約52日

参考:気象庁ホームページ 大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化

参考元URL:https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/extreme/extreme_p.html

夏日が増えているのに対し、冬日が減少しています。気温が上昇することで暖かく湿った風が発生しやすくなるため、積乱雲が発生しやすい状況になっているのです。結果、集中豪雨が増加するというわけですね。

温暖化だけが集中豪雨の増加する要因のすべてとは言えませんが、原因の1つであると推測できます。豪雨災害には警戒しなくてはいけませんね。

まとめ

集中豪雨はなぜ発生するか?それは、積乱雲の発生によるものです。積乱雲1つでは短時間の大雨で終わってしまいますが、積乱雲が世代交代をすることで次々と積乱雲が生まれ、長時間の大雨、つまり集中豪雨となるのです。

この世代交代には3つの種類がありますが、日本で発生している多くのものは「バックビルディング型」と呼ばれるものです。

他にも、「バックアンドサイドビルディング型」や「スコールライン型」があり、それぞれ特徴が違ってきます。

近年では集中豪雨が増加傾向にあり、その背景には温暖化が要因の1つとして挙げられます。集中豪雨による被害が増えることが予想されるこれから先、集中豪雨に警戒しなくてはいけませんね。

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