地震大国と言われる日本では、地震に対する備えが必要になってきます。とはいえ、備えと言われても何をしていいのかわからないものですよね。
この記事では、僕が東日本大震災で被災した時の体験談をもとに、地震に備えた対策を紹介しています。
避難生活の時に役に立ったもの、自然災害に対する考え方、災害後の生活に焦点をあてて解説しているので、被災した状況を知ることができる内容になっています。
災害時の状況は被災した地域じゃないとわからないものです。この体験談が、これから起こるかもしれない災害で役に立ってくれれば幸いです。
出典:https://www.photo-ac.com/
目次
【体験談①】地震に備えた心構え

地震への対策を練ることはいくらでもできますが、被害を完全になくすことはできないと覚えておきましょう。
「たら」「れば」の話になってしまいますが、東日本大震災が深夜の時間帯に発生していたら、僕は命を落としていたかもしれません。今でも考えるほどです。
海のすぐそばに住んでいたこと、就寝中である深夜の時間帯なので避難開始まで時間がかかる、周囲が真っ暗なため遠くまで逃げる気にならない、といった理由からです。
「そんなこと言ったら対策なんて意味ないじゃん」と感じるかもしれませんが、対策をすることにより被害に遭う可能性を減らすことはできます。ですが、状況によっては対策をしても被害に遭うことがあるでしょう。
それほど、自然災害というものは恐ろしく理不尽なものだということを心に留めておいてください。
災害に対する心構えは「災害に対する心構えを6つ紹介」の記事でも紹介しているので参考にしてみてください。
【体験談②】地震発生に備える

日本の住宅は素晴らしいもので、大規模な地震にも耐えることができます。僕の住んでいた町では、山の中にある誰も住んでいない謎の古い一軒家ですら、震度6弱に耐えるほどです。
住宅の倒壊は津波によるものがほとんどだったわけですね。この体験から感じたことは、特に都市部などビルが密集している場所では、地震の際には建物の中に避難した方が安全ではないか?ということです。
大規模な地震により窓ガラスが割れて道路に飛び散ったり、看板や工事現場の足場が崩壊する可能性を考えると、屋外の方が危険であると言えます。
理想は周囲に何もないところに避難することですが、そういう場所はほとんどないですからね。僕の場合は、仕事で移動中だったこともあり山の上の開けた場所に避難したのですが、山崩れにビクビクしていました。
地震からの避難場所を決める際には「建物の中」というのも選択肢の一つに入れるのも有効ではないでしょうか。住宅であれば、あえて屋外に逃げないのも一つの手です。その際、窓ガラスからは離れるようにしましょう!
地下空間への避難

地下鉄や地下街といった地下空間は地震に強いとされています。地中にあるため地震による揺れの影響が少ないからですね。
では地震の際には地下空間に避難すればいいのか?と言われると、不安に感じます。というか、僕なら避難しません。
地下空間が崩落することはないかもしれませんが、地上の落下物により出口が塞がれてしまったら、外に出れなくなってしまいます。地上もひどい状態なので、瓦礫の撤去には相当時間を要するでしょう。
衛生面・治安の面で地下空間は酷い状況になると予想できます。ですので、地下空間への避難はオススメできません。
【体験談③】地震に備えて備蓄をしよう

大規模な災害が発生すると驚くほど何もできなくなってしまいます。電気・ガス・水道がストップしてしまうだけでなく、物が手に入りません。病院や役所ですらまともに機能しなくなるくらいですからね。
ここでは、震災時の避難生活で実際に役に立ったものを紹介していきます。田舎での出来事なので、すべての状況に対応できるわけではありませんが、役立ててもらえると幸いです。
ソーラー式ランタン
よく庭で見かける埋め込みタイプのランタンです。日中は庭でソーラー充電をして、夜には屋内でランタンとして使用するといった単純なものですが、電源を必要としないので光源の確保に役立ちました。
当時はこんな使い方を想像していなかったので便利さに驚いたものです。持続時間は2時間ほどと長くはないのですが、持ち運びが楽で繰り返し使えるという点でオススメです!

カセットコンロ
電気やガスが使用できないと、コンロが使用できないので調理が難しくなってしまいます。特に寒い時期には温かいものが欲しくなりますよね。
そんな時に役に立ったのがカセットコンロです。カセットボンベさえあれば使用できるので、ガスが使えない状況でも調理に困ることはありませんでした。
電気を使用するコンロや都市ガスの地域であれば、必ず1つは備蓄しておきたいものですね。

トイレ
家庭で用が足せるというのは素晴らしいものだと心の底から感じました。避難所のトイレや仮設トイレの中には使用するのがためらうほどの状況になることがありました。
トイレの汲み取りが間に合わなかったり、掃除をする人がいなかったためですね。災害時には衛生面・健康面・防犯面でトイレの問題は深刻になるものです。
家庭のトイレが使用できる状況であれば、流すための水を必要としない「非常用トイレ」を備蓄することを強く勧めます。トイレが汚れることはなく、水を流す必要がないのでどんな状況でも使用できますよ!

車
田舎だったため移動するのに必要ということもありましたが、それ以外にも大きく役立ちました。
ラジオでの情報収集やシガーソケットを使用した携帯電話の充電、インバーターを何故か持っていたのでコンセントも利用できたりと大活躍です。
また、車の中で寝ることもできるのでプライぺートな空間も確保できるのも大きなメリットでした。ただし、ガソリンの確保は大変というデメリットはあります。
「必要な備蓄品リスト」では、上記以外にも役に立ったものや「こんなものがあれば良かった」というものをピックアップしているので備蓄をする際の参考にしてください。
【体験談④】地震に備えた知識を得る

知識といっても難しく考えることはありません。生活の知恵があるだけで地震対策につながります。
例えばご飯を炊く場合、多くに方は炊飯器を使用しているのではないでしょうか。では、停電により炊飯器が使えなくなったら、どうやって炊飯しますか?
炊飯の知識があれば悩むことはありませんよね。ちょっとした生活の知恵ですが、何も使えない災害時ではとても役立ちます。
「生活」のカテゴリーでは、災害時に役立つちょっとした生活の知恵や、災害時に使える情報を紹介しているので役立ててください!
地域の特性を知る

僕が避難していた場所の近くには山の水があったため、洗濯用や食器洗いに使用していました。他にも、山の水を汲める場所では「水があります」という看板を立てて提供している場所がありました。
どこの場所でもという訳にはいきませんが、これも地域の特性です。災害時には水の確保が難しくなるので、近くに生活水として使用できる湧き水のポイントがないかチェックすれば、断水時に役立ちますよ!
ここで注意したいのは、見た目がキレイな水だからといって飲料用になるとは限らない事です。場合によっては感染症になる危険があるので、飲料用として問題ないか役場に問い合わせてみるのも大切です。
【体験談⑤】地震後に備える

災害はその後の生活にも大きな影響を与えます。その最たる例が「お金」の問題です。ここでは、災害後の生活に焦点をあてた備えについて紹介していきます。
仕事がなくなり無収入になる
当時僕が務めていた会社は、震災により経営の継続が不透明になったため、従業員が全員解雇されました。
国の政策のおかげで失業保険をすぐに受け取ることはできましたが、地元では求人が少ないため就職先を見つけることが困難でした。
僕の場合は失業保険で様々な免許を取り、地元を離れて就職しましたが、中には地元に残りたいという人もいたことでしょう。
突然の災害により仕事がなくなってしまう。また、就職先を探しているけど求人が少ないといった問題が被災地では起こり得ます。
住宅が全壊してローンだけが残る
新築だったのに震災で全壊した、引渡し当日に震災が来た、という話を耳にしました。地震保険に入っていなかったので、保険金をローンの返済にあてることができなかったそうです。
僕の実家の場合は、たまたま地震保険に入っていたのでローンの返済はできたのですが、その後の住居はどうするかという問題がでました。家一軒建てるのは容易な事ではないですからね。
また、仮設住宅にいつまでも入居できるわけでもありません。結局、震災から8年後に新築を建てることができました。地震保険に入っていなかったら、違う結果になっていたでしょう。
地震保険に入っていたおかげで生活が助かることがあります。特に津波による被害が想定される場所では、震災後のことを考えて保険の在り方を見つめ直してはいかがでしょうか。
ダイレクト系火災保険では時間を気にせず、Webのみでの手続きが完了可能ですが、本当に最適な保険を選ぶには知識が必要なこともあります。
住宅本舗の火災保険一括見積もりサービスなら保険プランナーが居住地域で異なる災害の種類などを考慮し、適切なプランを設計してくれます。
まとめ
地震に備えるということは非常に重要な事です。なぜなら、大規模な地震により生活が一変してしまう可能性があるためです。
過去には何度も大規模な災害が発生し、そのたびに乗り越えてきました。そこには、災害を経験した人の体験談をもとに対策を講じることができたのも要因の一つではないでしょうか。
当記事では個人で出来る備えになってしまうのですが、心構え・備蓄・知識・災害後の備えに役立ててくれると嬉しいです。
終わりに、災害への備えは日常から行うことが重要です。地震が発生してから対策をしても手遅れなので、できることから対策をしていきましょう。
