近年、増加傾向にあるゲリラ雷雨。ゲリラ豪雨なら聞いたことがあるけどゲリラ雷雨ってなに?と疑問に思う方もいることでしょう。
この記事では、ゲリラ雷雨の中でも「雷」に焦点をあてています。雷の危険性だけでなく、どこへ避難すれば安全か、といった事を詳しく解説しているので、急なゲリラ雷雨でも対処できる内容になっています。
他にも、ゲリラ雷雨に備えて出来ることや雷が住宅に及ぼす影響を解説しているので、ゲリラ雷雨対策をしていない方は参考にしてみてください!
出典:https://www.photo-ac.com/
目次
ゲリラ雷雨ってなに?

ゲリラ豪雨は聞いたことがあるけど、ゲリラ雷雨って?と疑問に思いますよね。結論から言えばゲリラ豪雨と変わりありません。雷を伴うゲリラ豪雨といえば分かりやすいですね。
ゲリラ雷雨は積乱雲の発生によって起こるものです。雲は地上にある水蒸気を含んだ空気が上昇し、上空で水蒸気が冷やされて水滴や氷の粒になることで発生します。
通常であれば、水滴や氷の粒はある程度の大きさになったら雨となって地上に降り注ぐのですが、積乱雲の中では強い上昇気流が起こっているため、水滴や氷の粒は落ちることなく大きくなっていきます。
さらに大きくなった水滴や氷の粒は、上昇気流でも支えきれなくなり一気に地上へと降りそそぎます。これがゲリラ豪雨のような大雨となる仕組みです。
雷はどうやってできるの?

雲を形成している水滴や氷の粒は大きさが様々で、大きい粒は落ちようとしたり、小さな粒は上昇しようとしたりします。
その際、他の粒とぶつかったり擦れあったりするため静電気が発生します。静電気はどんどん雲の中で溜まっていき、やがて溜めきれなくなった静電気は地上へと逃げようとします。これが落雷ですね。
雷は数千万~2憶V(ボルト)と桁違いのエネルギーをもっています。家庭にあるコンセントは100Vなので、いかに巨大なエネルギーなのかがわかりますね。
ゲリラ雷雨の危険性

雷による死者・負傷者は毎年発生しています。2017年には死者・行方不明者が6名、負傷者が26名もでていることから、雷による被害は無視できません。
ゲリラ雷雨にはどのような危険性があるのか、雷が人間を襲う状況を見ていきましょう。
- 直撃:雷が人体へ直接落ちる状況です。とてつもない電流が人体へ流れるのですから人体への影響は計り知れないですね。死亡率は70%以上と非常に高いです。
- 側撃:落雷を受けた物や人から電流が飛び移って感電する状況です。雨宿りしていた木に雷が落ちた際に、電流が飛び移って感電するケースがあります。
- 分岐放電:雷が大気中で分岐して複数の地点に落ちる状況です。複数の人が感電する可能性があります。
- 爆風:落雷による爆風で鼓膜が損傷する状況です。爆発による急激な気圧の変化によるものですね。目と耳が真っ先に影響を受けます。
上記で紹介した以外にも感電する状況はあります。次の項目からは、雷による感電を防ぐためにはどうすればいいのか解説していきますね!
ゲリラ雷雨が発生した場合の注意点
ここでは、ゲリラ雷雨に遭遇した際の注意点を紹介します。普段何気なくしている行動が実は危険なものだったりします。
傘をさすのは危険
雷が鳴っている時は大抵雨が降っているものです。そうすると、濡れないために傘をさすのが当たり前ですよね。ですが、この行動が危険だったりします。
雷は電気の通しやすさに関係なく尖ったものに落ちやすい特徴があります。また、地面からより高いものへと落ちやすいものです。
過去には傘だけでなく、釣り竿やゴルフクラブなどに落雷した事例が発生しています。濡れたくない気持ちはわかりますが、ゲリラ雷雨の際には傘をささずに屋内へ避難するようにしましょう。

木の下や軒下は危険
ちょっとした雨宿りに・・・。ということで、傘を持ち合わせていない時には木の下や軒下へ避難する方は少なくないはずです。
雷の際には、この行動が危険となります。先程も解説しましたが、雷はより高く、尖ったものに落ちやすいもの。木はまさにそうですね。
また、木は電気を通しにくいので、より電気を通しやすい人体へ流れてしまいます。軒下も同様ですね、特に木造の建物の軒下へ避難するのは危険なのでやめましょう。

ゴム製品は効果なし
ゴムは絶縁体だから雷なんてへっちゃらさ!と、意気揚々とレインコートとゴム長靴を着用して走り回っているそこのあなた、危険なのでやめましょう。
確かにゴムには絶縁効果があるのですが、雷ほどの高電圧になるとまったく効果がありません。このような高い電圧により絶縁体を破壊することを「絶縁破壊」といいます。
ちなみに、腕時計などの金属は雷を寄せやすいという誤解をしている方がいるかもしれませんが、実は人体に流れる電気を減らしてくれる役割をしてくれます。
「ジッパー効果」というものなのですが、必ずしも効果を発揮するわけではないので、過度に期待しないようにしましょう。

ゲリラ雷雨が発生したらどこに避難する?

屋内へ避難しましょう。屋外にいるよりは安全です。また、車や電車、飛行機といった乗り物の中も安全です。
逆に危険な場所は、テントやバイクやオープンカーといった内部がむき出しになっている乗り物、公園やキャンプ場にある屋根と柱だけの建物(東屋)ですね。
屋内への避難が困難な場合は、電線の下が安全とされています。これは、電線が避雷針の役割を果たしてくれるからです。電柱ではないので注意しましょう!
安全な場所 | 危険な場所 |
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避雷針の間違った解釈

避雷針は「雷を避けるもの」と勘違いしてしまいがちですが、正確には「雷を引き寄せるもの」です。
避雷針は雷から建物を守るためのもので、避雷針に雷が落ちることで電流を地面へと導いて建物への被害をなくす役割を果たします。
ですので、避雷針の傍や避雷針のある建物の軒下にいることは、雷の電気が流れてくる可能性があるため非常に危険であるといえます。
避雷針がある建物だから中にいなくても安全というわけではないので、建物の中に避難するようにしましょう!
一番危険な場所

グラウンドや海などの開けた場所が一番危険です。周りに何もないため、「人」が高いものかつ尖ったものになってしまうからです。
天気予報をチェックし、雷になりそうな場合は早めに避難を開始するか、その場所へ行かないのがベストですが、もしそのような場所でゲリラ雷雨に遭遇した場合にはどうすればいいのでしょうか?
身の危険を感じた場合には、両足を閉じて頭を低くしてしゃがみます。その際、両耳を塞ぎ余った手で頭を抱えることにより、雷による爆風からの被害を最小限にする事ができます。また、しゃがむ時には膝を地面に付けないよう注意しましょう。
慌てて木の下に逃げ込むと危険です。高い場所を避け、低い姿勢で行動するようにしましょう。
ゲリラ雷雨は家の中にいれば安心?

屋外と比べると安全な場所ではありますが、家の中でも被害に遭うことはあります。コンセントやテレビのアンテナ、電話線などは電気を通しやすいので、これらを伝って雷の電気が侵入してきます。
家の中で電気を使う器具はたくさんありますよね。例えば、テレビや照明器具などです。そういったものから1m以上離れることで感電から守る事ができます。
他にも、水道管も電気を通しやすいものの1つなので、入浴や台所での水の使用は控えた方が安全です。
不安であれば、コンセントに挿してあるプラグをすべて外しておくと感電だけでなく、家電製品も守る事ができますよ!
ゲリラ雷雨に備えて
ゲリラ雷雨はその名の通り、いつやってくるかわからないものです。だからこそ備えが重要になってきます。雷による被害は人体だけでなく、住宅にも深刻なダメージを与えます。
雷による被害を避けるため、どのような対策をすればいいのか紹介していきますね。
家電を守る

前の項目でも解説しましたが、雷はコンセントやテレビのアンテナ、電話線等から侵入してきます。侵入した雷による異常な電圧のため、家電製品が壊れてしまう可能性があるでしょう。
雷の侵入を感知した際に電気を遮断する「避雷器」を設置することで、雷による家電製品の故障を防ぐことができます。
ただし、雷の電圧の規模によっては避雷器でもガードしきれない場合があります。一番確実なのは、プラグを抜いておくことですね。
また、LANケーブルから雷が侵入してパソコンが壊れる事態が発生しているので、コンセントだけでなくLANケーブルなどの通信線にも対策を行いましょう。
他にも、ブレーカーに避雷器を取り付ける方法もありますが、電気工事士の資格が必要となるので、気になった方はお近くの電気工事事業社へ相談してみてください!
火災に備える

雷は家電を破壊するだけでなく、火災を引き起こすこともあります。原因の1つとして、家電製品が雷によってショートし、飛び散った火花に引火するものです。コンセントに溜まった埃に引火するケースもありますね。
自分の不注意ならまだしも、自然現象で火事になるのは納得がいかないものです。とはいえ、修理をするのにも費用がかかるのも現実・・・。
そんな時に役立つのが火災保険です。火災保険は雷による火災でも補償してくれるので、万が一の事態が発生した場合に助けとなってくれます。
災害によって住宅を失うと、必ず問題となるのがお金の問題です。特に雷による災害は、津波や地震と違い国からの補助が期待できません。
お金が発生する事態への備えも災害対策の1つです。保険の在り方を見つめ直してみてはいかがでしょうか。
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まとめ
積乱雲の発生により起こるゲリラ雷雨。たかが雷と侮るなかれ、数千万~2億Vものエネルギーを持つ危険な自然現象です。
それ程の電圧が人体に流れるとひとたまりもありません。雷は直撃だけでなく、少し離れた場所であっても感電する可能性があります。ゲリラ雷雨が発生した場合には、屋内や車の中へ避難するようにしましょう。
また、屋内であってもコンセントやテレビのアンテナなどから雷が侵入する可能性があります。家電製品から離れる、プラグを抜いておくといった対策をすることで雷からの被害を防ぐことができるでしょう。
近年、ゲリラ雷雨の発生が増加傾向にあります。ゲリラ雷雨は暖かい時期に発生しやすいので、時期が到来する前に対策をすることが大切です。
