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ヒートアイランド現象とは?気温の上昇についての疑問を解決!

近年では命に関わるような猛烈な暑さが続いていますね。この背景には地球温暖化だけでなく、ヒートアイランド現象が深く関わってきています。

この記事では、ヒートアイランド現象について詳しく解説しています。ヒートアイランド現象とは何なのか?原因は?どんな影響があるの?といった疑問に答えていますよ!

他にも、気温上昇に関わる疑問について触れているので、猛烈な暑さの原因について知ることができる内容になっています。

災害レベルとなっている猛暑から身を守るため、まずは敵を知ることから始めていきましょう。

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ヒートアイランド現象ってなに?

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ヒートアイランド現象とは、都市部の気温が周辺の郊外部と比べて高温になる現象のことです。

僕は田舎で生まれ育ったのですが、初めて都市部を訪れた際に空気がムワッとしていたのには驚きました。同じような感想を持った方もいるのではないでしょうか。

それだけ地方と都市部では気温の差があるということですね。では、なぜヒートアイランド現象が起こるのか、その原因を解説していきますね!

土地利用の変化(緑地や水面の減少)

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都市部ではアスファルト道路やコンクリート造の建物が数多くあります。開発に伴い便利になった反面、緑地や水田といった植生域が減少してしまいましたね。

緑地や水田は水分を含んでおり、水分が蒸発する際のエネルギーとして大気中の熱を奪うことで気温の上昇を抑える働きがあります。

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水が気化して水蒸気となるにはエネルギーが必要になります。例えば、水を沸騰させるには火というエネルギーが必要ですよね。

同様に、大気中にある熱のエネルギーを吸収することにより水分は蒸発しているのです。

土地の開発により緑地や水田といった植生域が減少することで、気温の上昇を抑えるものがなくなってしまうのです。

また、アスファルトやコンクリートは熱を溜める性質があるため、日中は熱を吸収し、日の当たらない夜は溜め込んだ熱を放出するので夜でも気温が高いままなんですね。

建築物の高密度化

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都市部では大勢の人が生活し活動しています。ですが、土地は限られているため地下空間を利用したり、高層ビルを建設することで大勢の人が活動できるようになっています。

住宅街も同様に、無駄な隙間がないくらい住宅が密集していますよね。建築物が密集することにより、風の流れが悪くなり熱が滞留しやすくなっているのです。

また、高層建築物の増加によって空の見える割合(天空率)が低下し、放射冷却が弱まるのも気温上昇の要因となります。

放射冷却ってなに?

放射冷却とは、高温のものが周囲に電磁波を放出することで温度が下がることです。日中は太陽の光を受けることで地表の温度が上昇します。

夜間になると地表から宇宙空間に向けて電磁波が放出されることで地表の温度が下がります。この電磁波の放出が高層建築物に阻害されるため、地表の温度の低下が抑えられるわけですね。

人口排熱

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人口排熱とは、エアコンや自動車、工場などから排出される熱のことです。人口の密集している都市部ではこれらの稼働数が多いため、必然的に排熱量が増えるわけですね。

排出された熱は風で拡散されればいいのですが、前の項目で解説した通り建築物の高密度化によって風の通りが悪いため、熱が拡散されにくくなります。

気温が上昇することでエアコンの使用率が増加し、人口排熱も増加していくわけです。このような悪循環となることで、ヒートアイランド現象となるわけですね。

ちなみに、この人口排熱はヒートアイランド現象だけでなく地球温暖化の要因ともなります。詳しくは次項目で解説します。

ヒートアイランド現象と地球温暖化は違うもの

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混同してしまいがちですが、ヒートアイランド現象と地球温暖化は別物です。気温の上昇においては同じなのですが、ヒートアイランド現象は都市部という地域の特性による局地的なもの、地球温暖化は地球規模の広範囲にわたるものです。

気温の上昇する仕組みにも違いがあり、ヒートアイランド現象は人口排熱や土地利用の変化といった人工的なものに対し、地球温暖化は二酸化炭素といた大気中にある温室効果ガスの増加によって引き起こされます。

気温の上昇といっても様々な要因があるわけですね。ここで、ヒートアイランド現象と地球温暖化の違いを表にまとめてみましょう。

範囲 要因
ヒートアイランド現象 都市部を中心とした局地的 人口排熱や土地利用の変化によるもの
地球温暖化 地球規模の広範囲 大気中にある温室効果ガスの増加によるもの
温室効果ガスってなに?

地球は太陽から降りそそいだエネルギーを吸収して放出しています。ですが、吸収したエネルギーを全て放出してしまうと氷点下19℃という極寒の世界となってしまいます。

大気中には二酸化炭素などの温室効果ガスと呼ばれるものが含まれており、この温室効果ガスは地球から放出されたエネルギーを吸収し、地表へ再び放出する働きがあります。この働きにより、地表では人間の生活に快適な温度となるわけですね。

ただし、この温室効果ガスが増加すると地球に向けて放出するエネルギーが増加してしまうため、気温の上昇が起こります。これが、地球温暖化ですね。

ヒートアイランド現象による気温の変化

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ヒートアイランド現象による気温の変化は夏場に顕著に表れると想像してしまいがちですが、意外な事に夏場の気温の上昇にはあまり影響がありません。

冬場や春といった寒い季節や、日の最低気温となる夜中の時間帯の気温に影響を及ぼしています。

本来であれば気温の下がる時間帯や季節だからこそ、ヒートアイランド現象の影響が顕著に表れやすいのですね。

都市部じゃないのに気温が高いのはどうして?

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国内の最高気温を見てみると、静岡県浜松市、埼玉県熊谷市が記録した41.1℃が歴代最高気温となっています。

他にも、岐阜県や群馬県、山梨県といった各所で40℃を超える猛暑日が観測されています。ヒートアイランド現象でもないのに、なぜこのような高温となっているのでしょう?

それは、フェーン現象が発生していることが理由の一つとして挙げられます。このフェーン現象により、都市部以上の気温の上昇が起こるわけですね。

気温の上昇は人為的なものだけでなく、その地域の地形によっても起こり得ることなのです。

フェーン現象ってなに?

フェーン現象とは、山を駆けのぼった気流が山頂から下る際に、暖かく乾いた気流となる現象です。

山を駆けのぼる気流は水蒸気を含んでいますが、山頂に近づくにつれ気温が下がることで水蒸気は雲となり雨を降らせます。そのため、山頂から下る気流には水蒸気が少なくなり乾いた気流となります。

この乾いた気流が気温の上昇につながるわけですね。気流が乾いた状態になると、高い場所から下るほど気温の上昇が高くなります。

山を駆けのぼる際には25℃だった気流が、山を下る際には30℃を超える気流となるのです。フェーン現象の怖いところは気温の上昇だけでなく、空気が乾燥しているため火災になった際には延焼しやすい特徴があるのです。

ヒートアイランド現象が及ぼす影響

ヒートアイランド現象により気温が上昇することで、私たちの生活に支障をきたします。ここでは、ヒートアイランド現象が及ぼす影響を3つ紹介していきますね!

熱中症

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気温が上がることにより警戒しなくてはならないのが熱中症です。2019年5~9月の熱中症による救急搬送人数は71317人、死亡者数は126人と無視できない数字になっています。

日中だけでなく、夜間に熱中症になるケースが増えていることから夜間の気温の上昇が見られるということですね。

ヒートアイランド現象により熱帯夜となることで、熱中症となる可能性が高まるのです。

集中豪雨の増加

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ヒートアイランド現象により気温が上昇することで、集中豪雨の原因となる「積乱雲」が形成されやすくなります。

暖かく湿った空気が建物にぶつかることで上昇気流となり、積乱雲を形成するわけですね。この積乱雲は豪雨を引き起こすだけでなく、落雷や突風といった気象現象を引き起こします。

ヒートアイランド現象だけが要因ではありませんが、30年前と比べて1時間降水量が50mmを超える大雨の回数は、約1.4倍増加しているのが実状です。

生態系の変化

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気温の上昇により、それまで生息できなかった季節でも活動が見られるといった変化が現れます。特に警戒されているのは「蚊」ですね。

マラリアは蚊を媒介として人に感染します。気温の上昇により蚊の活動時期が変化することで、感染症に罹患する可能性が高まるわけですね。

他にも、気温の上昇により雨や排水の水温が上がることで、排水先の河川の水温が上昇し、水棲生物の生態に変化を及ぼします。

日本ではまだ例がありませんが、アメリカでは雨により小川の水温が1時間に10℃も上昇することで、魚が死んだという例があります。

ヒートアイランド現象を防ぐためには

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残念ながら、現状では防ぐことができないと僕は考えています。地域の都市化はこれからも続くことでしょう。

アスファルト道路やコンクリートの建物を減らすことは現実的ではありませんし、ヒートアイランド現象による気温の上昇により、暑い時期にはエアコンの使用量が増加します。人口排熱が増加するということですね。

エアコンを使用しなければ熱中症になる確率が跳ね上がるので使用しないわけにはいきません。ヒートアイランド現象となる地域は増加していくでしょう。

防げないのであれば、現状とうまく付き合っていくしかありません。熱中症や集中豪雨、害虫への対策をしていく必要がありますね。

まとめ

都市部の気温が郊外部と比べて高くなるヒートアイランド現象。緑地や水田の減少、建物の高密度化、人口排熱の増加により引き起こされる現象です。

気温が上昇することで、熱中症の増加、集中豪雨の増加、生態系の変化といった影響が懸念されています。

出来ることなら防ぎたいですが、現状ではヒートアイランド現象を防ぐことは難しいでしょう。むしろ増加していく可能性が高いです。

ですので、この現状とうまく付き合っていくことが一番の対策となります。特に暑い季節は熱中症に十分注意しましょう!

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