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【浄化槽管理士が解説】浄化槽と下水道どちらが災害に強いの?

浄化槽と下水道、地域によって設置状況が違ってきます。同じ地域なのにあっちは浄化槽でこっちは下水道、違いってなんだろ?災害時には使えるの?と、疑問に思った事はありませんか?

この記事では浄化槽と下水道どちらが災害に対して強いのか、また、それぞれのメリット・デメリットを解説しています。

浄化槽管理士として業務に当たっていた経験をもとに解説しているので、現場で感じたことをダイレクトに紹介しています。

特に下水道や浄化槽の切り替えに悩んでいる方にとっては役立つ内容になっているので、ぜひ参考にしてみてください!

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浄化槽と下水道の違い

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簡単に違いを説明すると、下水道は広い地域の生活排水をまとめて処理できるもので、浄化槽は下水処理施設を一戸単位に設置できるよう小さくしたものです。

どちらも微生物の力で生活排水をキレイに処理するもので、川や海の水質汚濁を防ぐために考えられたものですね。

下水道はどこにでも敷設されているわけではありません。敷設されていない地域でも生活排水をキレイに処理できるものとして浄化槽があるわけです。

災害には浄化槽と下水道どちらが強いの?

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結論から言えば「どちらが明確に強いということはない」です。どちらにもメリット・デメリットがありますし、地域によって変わってくるからです。

個人的には若干ではありますが浄化槽の方が災害には強いかなと感じます。その理由は、排水が戸別にできるからです。

大規模な地震や津波、洪水といった災害が発生すると、下水道管が破損、もしくは処理施設が被災してしまい使用できなくなることがあります。

大規模な災害ほど復旧までにはかなりの時間を要するため、復旧までは下水道が使用できないわけですね。仮に無理やり使用したとしても、生活排水は街中に流れてしまうため、衛生上の問題がでてしまいます。

その点、浄化槽であれば放流先が戸別で変わってくるため、放流先が無事であれば問題なく使用できるというメリットがあります。

下水道のメリット・デメリット

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下水道の一番のメリットといえば、手間がかからないということですね。浄化槽は法律により点検と清掃を実施しなければいけません。こうした手間がなくなるのは非常に大きいといえます。

また、生活排水は下水道の本管へと流れるだけなので、臭気の心配もありません。使い勝手の良さは下水道がダントツですね!

デメリットは災害に弱いということでしょうか。下水道の本管では処理しきれない量の雨や洪水といった災害が発生すると、広い範囲で生活排水が流せなくなってしまいます。

下水道は広い範囲の生活排水を処理できる反面、設備は大きなものとなるため復旧には時間がかかるものです。

浄化槽のメリット・デメリット

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浄化槽の最大のメリットは戸別での設置ですね。下水道の状況に左右されないのは災害時において大きいです。これは東日本大震災による被災経験で痛感しました。実際、仮設住宅では浄化槽が設置されていました。

もう一つは費用が下水道と比べて安いことです。浄化槽は装置の故障や清掃費といった突発的な出費はあるものの、年間を通してみると費用は安くすみます。突発的な出費はデメリットでもありますが。

デメリットは臭いの発生です。災害により停電になると送風機が止まってしまうため、微生物の活動に変化が生じることで臭いが発生してしまいます。気になる方にとっては悩ましい問題ですね。

浄化槽を設置していても、下水道が整備されれば切り替えなければならない義務があります。しかし、補助金が下りても切り替え費用は自分持ち・・・。なんか納得いかないですね。

浄化槽にかける費用とうまく付き合うために

修理・法定検査・清掃、突発的な出費がある浄化槽。いきなりの支出は痛いものですよね。この突発的な出費に備えて、浄化槽用として毎月1000円でもいいので少しずつ貯蓄することをオススメします。

単独処理浄化槽の方は切り替えを視野に

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浄化槽の中には「合併処理浄化槽」と「単独処理浄化槽」というものがあります。合併処理浄化槽は生活排水全般を処理するのに対し、単独処理浄化槽はトイレの排水のみを処理するものです。

台所やお風呂の排水はそのまま側溝に流れてしまうので、悪臭や害虫の原因となってしまうんですね。

また、単独処理浄化槽では現在定められている水質基準を満たすことができません。とはいえ、もとは国が推進してきた浄化槽です。現在では、単独処理浄化槽を浄化槽としてみなす「みなし浄化槽」と呼ばれています。

まだまだ設置している住宅が多いのが実状です。単独処理浄化槽を設置している方は、合併処理浄化槽への転換を検討されてみてはいかがでしょうか?

合併処理浄化槽にすることのメリット

なんて言われても、合併処理浄化槽にメリットがなければ転換する気なんて起きないですよね。ここでは、合併処理浄化槽にすることによるメリットを紹介しますね!

生活が豊かになる

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単独処理浄化槽から合併処理浄化槽に転換する方の多くは、リフォームを同時に行っています。

トイレであればウォシュレット付きのトイレに交換、浴槽であれば追い炊き機能の付いた浴槽に交換、高齢の方のためにトイレや浴室に手摺りを付けるといった具合ですね。

また、単独処理浄化槽が設置してある場合、排水管が老朽化のため十分な勾配がとれずに流れが悪くなったり詰まりやすくなったりするものです。

合併処理浄化槽に転換する際に配管や設備が新しくなるので、生活が格段に楽になったとの言葉は多く聞きました。

補助金がでる

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地域によってですが、合併処理浄化槽への転換に補助金を交付してくれる自治体があります。

補助金があるのとないのとでは費用が大きく変わるので、ぜひ補助金絵を利用しましょう!利用する際は、お住いの自治体へお問い合わせください。

臭気や害虫が減る

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トイレ以外の生活排水は垂れ流し状態なので、どうしても住宅の周辺は臭気や害虫が発生するものです。特に夏場は酷いものですね。

合併処理浄化槽に転換することにより、生活排水全般がキレイに処理されるので、住宅周辺から発生する臭気や害虫の発生がなくなります。

設置する場所や時間をとらない

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浄化槽メーカーが日々新しい技術を開発することにより、現在では浄化槽の小型化に成功しています。

車1台分のスペースがあれば設置ができるだけでなく、小型化した分工事にかかる時間や費用が抑えられるわけですね。

合併処理浄化槽に転換するメリットを4つ紹介しました。他にも河川や海の水質保全につながるメリットがあります。

これは次世代の子、つまり現在の子供たちが大人となった時に河川や海が汚染される事を防ぐことに繋がります。

私たちが好き放題したために河川や海で遊べない、魚が汚染され食べることができない、水が汚染され飲むことができない、なんてことになったら何も言えないですよね。

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合併処理浄化槽の設置や下水道への切り替えを考えてる方はご活用ください。

災害時の下水道の使用には注意を

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ここでは、災害時における下水道の使用の際の注意点を解説していきます。といっても、いえることは一つで、下水道が使用できない時は使用しないです。

「当たり前じゃん」と感じるかもしれません。ですが、実際には当たり前のことができていないのが現状です。

例えば下水道の本管が破損したとしましょう。実際には、下水管の本管が破損しても普通に排水できます。では、排水したとしてその排水はどこに流れていくのでしょう。

答えは、街中に溢れるです。なまじ普通に排水できるから「問題ないじゃん」と使用してしまいがちですが、生活排水は街中に溢れているのです。

何が問題なの?

生活排水のなかには様々な菌が生息しています。この菌が人体に悪影響を及ぼすことは容易に想像できますよね。溢れた生活排水は街中の至るところに付着するので菌も至るところに付着します。

いちばん厄介なのは乾いた時です。乾燥した生活排水は埃や砂と一緒に街中に飛散します。

当然菌も埃や砂に付着しているので、私たちが知らずに吸い込む可能性があるわけです。菌が体内に入ると感染症となる可能性がありますね。他にも悪臭や害虫の発生の原因となります。

「普通に流れるから問題ないでしょ」というモラルの欠如が、後に私たちの生活に悪影響を与えるものです。一時は不便かもしれませんが、下水道が使用できなくなった時は素直に復旧を待ちましょう。

まとめ

下水道は広範囲、浄化槽は戸別単位で生活排水を処理するものです。どちらがいいの?と疑問を抱いてしまいがちですが、どちらにも一長一短があるので変わりありません。

ただし、単独処理浄化槽を使用しているのであれば合併処理浄化槽への転換を強く勧めます。理由はトイレ以外の生活排水は垂れ流しの状態なためですね。

生活排水をキレイに処理してくれる両者ですが、災害時には使用できなくなる可能性があります。

こればかりは使用者のモラルになってしまうのですが、正しい使い方をして住みやすい環境を作っていきたいですね。

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