災害はいつやってくるかわかりません。大規模な災害が起こって電気・ガス・水道などのライフラインがストップしてしまうと、満足に生活することすら困難となります。
この記事で紹介している備蓄品は、実際に東日本大震災で被災した時に役立ったもの、「こんなものがあれば良かった」というものをリストアップしたものです。
いざ備蓄をしようとしても、実際に経験しないと、どれが必要なものなのかわからないものですよね。この記事では、そんな悩みを解消してくれます。
また、各備蓄品ごとにオススメの商品や備蓄するメリット、必要な備蓄量といった詳細な情報を解説したページにアクセスすることができるので、チェックしてみてください。
出典:https://www.ac-illust.com
目次
- 1 調理・湯沸しなどで活躍する『カセットコンロ』は必須アイテム
- 2 停電時の光源確保だけでなく防犯対策にもなる『ランタン』
- 3 『ろうそく』は電池がない時の光源確保に役立つ備蓄品
- 4 停電時でもスマホの充電が可能な『モバイルバッテリー』
- 5 家電製品を動かすことができる『ポータブル電源』
- 6 情報収集だけでなく安心感も与えてくれる『ポケットラジオ』
- 7 『簡易トイレ』は災害時のトイレ問題を解決する必須アイテム
- 8 『トイレットペーパー・ティッシュペーパー』は災害時には品薄に
- 9 停電時のデリケートな問題を解決する『携帯用ウォシュレット』
- 10 お風呂に入れない状況でも体を清潔に保てる『衛生用品』
- 11 断水時の給水に必要となる『ウォータータンク』
- 12 力がなくても荷物の運搬が楽にできる『キャリーカート』
- 13 電池を使用する備蓄品と併せて『単三電池』も用意しておく
- 14 『水・食料』は生きるための必需品!十分な量の備蓄を
- 15 女性の必需品である『生理用品』は災害時に手に入らないことも
- 16 被災地では手に入りにくい『ベビー用品』も備蓄しておく
- 17 命に関わる『薬』は手に入らなくなる前にストックを
- 18 停電時の『夏場対策』として備蓄しておきたいもの
- 19 冬の停電は致命的!寒さをしのぐための『冬場対策』を
- 20 日常でも停電時でも役立つ『カー用品』
- 21 備蓄量は1週間分が望ましい
- 22 まとめ
調理・湯沸しなどで活躍する『カセットコンロ』は必須アイテム

普段家事をしている人にとっては、料理やお風呂、湯沸しなど『火』の大切さが身に染みてわかっていますよね。
災害によりガスや電気が使えなくなってしまったら、ガスコンロやIHコンロが使えなくなってしまいます。そんな時のために備蓄しておきたいのがカセットコンロです。
料理や湯沸かしだけでなく、炊飯や煮沸消毒も可能とまさに万能選手。備蓄しておいてメリットしかないカセットコンロは、災害に備えて必ず備蓄しておきたいものの一つです。
併せて、カセットコンロに使うガスボンベも忘れずに備蓄しておきましょう。カセットボンベは長期保存ができるのと、消費期限が近付いたカセットボンベを消費したい場合には日常での使い道が多く、消費が楽なのもポイントです!

停電時の光源確保だけでなく防犯対策にもなる『ランタン』

夜になると当たり前のように点けている『照明』。慣れている自宅であっても、照明がなくなるだけで思うように動けず、物にぶつかったり階段を踏み外したりと危険です。
実は、災害により一番起こりやすい障害が停電です。停電が起きた時のために、ぜひ『光源』は確保しておきたいもの。
そこでオススメなのがランタンです。家の中での使いやすさ、周辺を照らす光の強さは懐中電灯よりランタンの方が優れているためです。
家の中に明かりが点っていることで、災害時に避難のため留守にしている住宅を狙った『空き巣』を警戒させるのに役立ちますよ!

『ろうそく』は電池がない時の光源確保に役立つ備蓄品

停電になり、「いざ懐中電灯を使おうとしたけど電池が切れてて点かない!」という状況はよくある光景ですね。
日常で使わないから疎かになってしまう電池の管理。「スマホのライトを使えばいいじゃん!」と考えるかもしれませんが、いつ停電から復帰するかわからない状況では、闇雲にスマホの充電を消費するのは危険です。
そのような時に役立つのがろうそくです。ランタンや懐中電灯と比べると光度は落ちますが、電池不要で光源を確保できる大きなメリットがあります。
電池の消費を抑えたい時にも役立ち、繰り返し使用できるろうそくは、災害時に役立つ備蓄品です。僕自身、実際に使用して「こんなに役立つものなのか」と驚いたものです。

停電時でもスマホの充電が可能な『モバイルバッテリー』

スマホはもはや日常生活においてなくてはならないものです。老若男女問わず誰しもが持っているもの。そのスマホが充電切れで使えなくなってしまったら・・・。
そんな時のために備蓄しておきたいのがモバイルバッテリーです。災害により停電してしまうと、スマホの充電ができなくなってしまいます。
災害時において、家族や知り合いとの連絡、情報収集、暇潰しと、スマホは様々な場面で役立ってくれるので、使えなくなると致命的です。
災害時の電気の復旧は3日とされていますが、大規模な災害が起こると復旧までに1週間以上かかるのが実情です。災害で停電になっても充電できるように、モバイルバッテリーば備蓄しておきたいですね!
また、ソーラーパネルを用意しておくことで、日中はモバイルバッテリーを充電させることが可能です。モバイルバッテリーと併せて用意しておきましょう。

家電製品を動かすことができる『ポータブル電源』

キャンプ用品だけでなく、災害用の備蓄として注目されているポータブル電源。コンセントやシガーソケット、USBが付いており、そこから電源をとることができる便利アイテムです。
家電製品も使用することができるので、災害による停電時でもテレビを見て情報収集ができたり、冬場の寒い時期にはこたつや石油ファンヒーターが使用できたりと、災害時の生活の幅が広がります。
ポータブル電源と一緒にソーラーパネルを備蓄すれば、ソーラーパネル経由でポータブル電源の充電ができるので、停電時でも電気の心配をすることがなくなります。
発電機を想像して「え!?音とか大丈夫なの?」と感じるかもしれませんが、手で持てる重さなので持ち運びが楽である、静音なので車や家の中で使用できる大きなメリットがあります。


情報収集だけでなく安心感も与えてくれる『ポケットラジオ』

ラジオって古臭いんじゃない?と思うかもしれませんが、非常時においてラジオ以上の情報収集源はありません。それほど安定した情報発信源がラジオです。また、非常時に人の声が聞けるというのはとても安心できるものです。
災害による停電のために電気が使えなくなったとしましょう。まず、テレビは見れません。スマホもバッテリー残量に限りがあるため無駄遣いはできません。
となると、電気を使用しない情報収集手段は電池で動くポケットラジオとなります。ポケットラジオにはスピーカーが内蔵されているので、家族全員で聞くことができる点と、持ち運びが楽というメリットがあります。
ちなみに、備蓄品の定番アイテムである手回しラジオライトは、当サイトではオススメしていません。理由は、手間がかかりすぎるからです。

『簡易トイレ』は災害時のトイレ問題を解決する必須アイテム

意外とないがしろにされてしまいがちなのが『トイレ』です。ですが、トイレは生理現象なので、毎日必ず用を足さなければ人体に重大な障害が起きてしまいます。
洪水や津波などの災害によって下水道が使えなくなると、家庭でトイレを使用することができなくなってしまいます。
災害時に設置される仮設トイレでは、人が並びすぎて使えない、すぐに仮設トイレのタンクいっぱいになって使用できない、汚れが酷くて使用するのを断念した、といった事態が起きました。
この問題により、トイレの回数を減らすため食事や水を摂取せず、体調を崩したケースは少なくありません。
災害時のトイレ問題は思っている以上に深刻なことです。トイレが使えない状況でも自宅で用が足せる簡易トイレは、災害に備えて必ず備蓄しておきたいものの一つです。
また、仮設トイレを利用する女性を狙った性犯罪が実際に発生した過去があります。自宅で用を足すということは、女性にとって防犯対策にもなり、周囲を気にする必要がないためストレスの軽減につながります。

『トイレットペーパー・ティッシュペーパー』は災害時には品薄に

被災地では、あらゆる商品が品切れになってしまうものです。先の見えない不安から、まとめ買いをする傾向があるため、スーパーやホームセンターには人が殺到します。
これに加えて、災害により物流が停滞してしまうので、需要と供給が追いつかなくなってしまうからですね。
必要なのに手に入らない、なんてことがないように、日用品であるトイレットペーパーとティッシュペーパーは備蓄しておきましょう。

停電時のデリケートな問題を解決する『携帯用ウォシュレット』

ウォシュレットは日本ならではのトイレ用品です。現在では至るところに設置されていますね。あまりの便利さから、ウォシュレットがないと落ち着かない人もいるのではないでしょうか。
災害による停電や断水で「ウォシュレットが使えないのは仕方ない・・・。」と、諦めることはありません!
そんな悩みを解決するのが、電池で動く携帯用ウォシュレットです。もとは海外の旅行用のものなのですが、実際使ってみると設置型のウォシュレットとなんら遜色はありません。しかも携帯型なので、一台あれば家族で使うことができます。
ウォシュレットがとても便利なものなのは、使っている人が一番よく知っているはずです。ウォシュレットが普及している現在だからこそ、簡易トイレと併せて備蓄しておきたいですね。

お風呂に入れない状況でも体を清潔に保てる『衛生用品』

大規模な災害が起こると電気・ガス・水道が使えなくなってしまいます。そうなると、料理だけでなくお風呂に入ることもできなくなってしまいます。
災害時には十分な食事が得られず病気に対する抵抗力が低下してしまいがちです。加えて、お風呂に入れなくなるため不衛生になり、風邪などの病気にかかりやすくなります。
ですので、清潔な状態を保つため、水を使わなくても体の汚れを落とすことのできる衛生用品を備蓄しておきましょう。
また、津波や洪水、地震による建物の倒壊が起こると、町中に粉塵が舞い散ります。この粉塵には菌が付着しているので、粉塵を吸い込まないためのマスクを用意しておくと安心です。

断水時の給水に必要となる『ウォータータンク』

災害により断水となった場合、各自治体で指定している給水ポイントで給水することになります。助かりますね。
ですが、給水するにも入れ物がないと運ぶことができません。ペットボトルを利用する手もありますが、まとまった量を給水する際には何本か用意しなくてはいけません。
何本もあるペットボトルを持ち運ぶのは手間ですし、一人が持ち運べる量にも限界があります。ウォータータンク1つでまとまった量の給水ができるだけでなく、取っ手が付いているので持ち運びが楽というメリットがあります。
大規模な災害による断水は、1ヶ月以上続くこともあります。頻繁に行うことになる給水に備えて、ウォータータンクを備蓄しておきましょう。

力がなくても荷物の運搬が楽にできる『キャリーカート』

先程紹介したウォータータンクに水をいっぱいに入れたとしましょう。20Lのウォータータンクだった場合、20kgになります。なかなかの重さですね・・・。
給水ポイントまで車で行ければいいのですが、地震や津波、洪水など災害の状況によっては車の運転ができない可能性があります。
そのような状況で役立つのがキャーリーカートです。運ぶのが大変な重量物でも、キャーリーカートに乗せることで、楽に運搬することができます。
ウォータータンクの運搬だけでなく、自宅から避難所に移る時の荷物の運搬など、様々な場面で活躍してくれます。

電池を使用する備蓄品と併せて『単三電池』も用意しておく

当サイトでは、すべて単三電池で動くものを紹介しています。「どうして?」と疑問に思うかもしれませんが、使用する電池の種類がバラバラだと、「どの電池を何本揃えよう?」といった手間が発生してしまいます。
また、使用する電池の種類を統一しておけば、備蓄品のどれかが電池切れになっても単三電池だけで賄えるため、電池の種類が違うために使用できないといったトラブルが起こることはありません。
また、単三電池は目覚まし時計やリモコンなど、日常の様々なものに使われています。
電池の使用期限が迫ってきたら使いまわすことができるので、無駄に捨てる事もありません。ちなみに、停電になると電気が使えないため、充電式の電池は備蓄品としてオススメしていません。

『水・食料』は生きるための必需品!十分な量の備蓄を

水と食料は生きていく上で必要なものです。何よりも最優先で確保しておきたいものですね。災害に備えて備蓄するのであれば、消費期限の長いものが適しています。
具体的にはレトルト食品・缶詰などですね。水も市販のものであれば1年はもちます。十分な量を備蓄すれば、いざという時に足りなくなる心配はありません。
また、水や食料は毎日必ず消費するものです。備蓄している物の消費期限が迫ってきても、楽に消費できるメリットがあります。
水や食料など、日常生活で消費しやすいものは多めに買っておき、半分消費したら買い足すといった運用(ローリングストック)も有効な方法です。

女性の必需品である『生理用品』は災害時に手に入らないことも

被災地では、スーパーやドラッグストア、ホームセンターに人が殺到して商品があっという間になくなってしまいます。災害による物流の停滞も、品薄や品切れとなる原因の一つですね。
女性にとって必需品となる生理用品だけでなく、水・食料・日用品も品切れになる傾向があります。これは、有事の際には必ずといっていいほど起こることです。
欲しい時に手に入らないなんてことがないよう、必ず使う生理用品は前もって備蓄しておくことを強く勧めます。
今では、保存期間が10年と長期保存できる生理用品があるので、日常で使用する分と備蓄用をまとめて購入しておくと、別々に揃える手間が省けます。

被災地では手に入りにくい『ベビー用品』も備蓄しておく

赤ちゃんがいると、離乳食やおむつが必要になります。また、おしり拭きや、おしりがかぶれないように薬を塗ったりと必要なものがたくさんありますよね。
過去の大災害を振り返ってみると、被災地ではベビー用品が足りなくなる現象が起こっています。流通が滞ってしまうため、需要と供給が追いつかないためです。
大切な子供だからこそ、災害時であっても不自由させたくないもの。粉ミルクやおむつ、ベビーパウダーなどは長期の保存に適しているので、災害に備えて余分に用意しておきたいですね。

命に関わる『薬』は手に入らなくなる前にストックを

災害時には満足な食事が得られず、また不衛生になりやすいので風邪などの病気にかかりやすくなります。そんな時のために、総合かぜ薬や解熱薬、胃腸薬といった常備薬は備蓄しておきたいですね。
また、被災地ではガレキなど様々なものが散乱しています。特に津波や洪水で流れついたガレキには菌が付着しています。ガレキによってできた切り傷に菌が入り込み破傷風になる危険があるので、消毒薬や包帯も備蓄しておくと安心です。
また、病院で処方してもらった薬を服用している人もいるでしょう。大規模な災害により病院が機能しなくなることで、治療が満足に受けられなかったり、薬が思うように手に入らない事態が起こり得ます。
かかりつけの病院に相談して、可能であれば服用している薬を多めにもらうことを検討してみてください。

停電時の『夏場対策』として備蓄しておきたいもの

近年では、夏場に30度を超える日が増えていますね。場所によっては35度を超えたりと、暑さに対する対策をしないと熱中症にかかる可能性があります。
災害はいつ起こるかわかりません。仮に、夏場に災害が起きて電気が使えなくなってしまうと、クーラーや扇風機を使うことができなくなってしまいます。
季節に関わるものは、大勢の人がその時に買い求める傾向にあるため、その場で買いに行っても品切れになっている可能性が非常に高いです。
命に係わるような暑さを乗り切るため、備蓄品は日常で使用するものだけでなく、季節を視越したものも用意しておくことが重要になります。

冬の停電は致命的!寒さをしのぐための『冬場対策』を

先程は夏場対策でしたが、冬場に災害が起こる可能性もあります。特に、日中でも氷点下になるような寒冷地では、停電になると暖房器具が使えなくなるため致命的です。
そのような状況でも暖をとれるものを用意しておけば、厳しい寒さをしのぐことができます。季節ものの商品は、長期保存できたり繰り返し使用できるものが多いです。
また、日常でも使用する機会が多く、無駄にしまっておくことがないことから、用意しておいてもデメリットはありません。

日常でも停電時でも役立つ『カー用品』

意外と盲点なのがカー用品です。車を所持している人に限るのですが、カー用品ならではの便利な物があります。
例えば、シガーソケットを利用したスマートフォンの充電器などです。車のバッテリーからの充電なので、災害による停電であっても関係なく充電できるのは助かります。
「シガーソケットのない車は無理じゃん」と諦めることはありません。後付けで取り付けることができますが、簡単に取り付け♪というわけにはいかないので、カー用品店で相談してみることを勧めます。
また、災害が起きて交通がマヒしてしまうとガソリンの流通がストップしてしまうので、本当に必要な時以外の車の使用は避けるようにしたいですね。

備蓄量は1週間分が望ましい
いざ備蓄を始めよう!と思っても、どれくらいの量を備蓄していいのか迷ってしまいますよね。備蓄量は『1週間』を目安にしましょう。
1週間分の量は大規模災害を想定した量です。『激甚災害』と呼ばれるものですね。個人的には1週間分でも足りないと感じていますが、さすがに備蓄品を保存しておくのにも場所が必要です。
一般的に備蓄量は3日分とされていますが、3日で電気・ガス・水道が復旧するような規模なら備蓄しなくても何とかなります。一番怖いのは激甚災害で、電気・ガス・水道のすべてが復旧までに一週間以上かかります。
ですので、激甚災害を想定した備蓄をすることが大切です。何度も言いますが、被災した地域では、驚くほど商品が手に入らないということを覚えておきましょう。
まとめ
今回紹介した災害対策に必要な備蓄品をまとめます。
用途 | 備蓄品 |
---|---|
キッチン用品 | カセットコンロ |
照明 | ランタン・ロウソク |
情報収集 | ポケットラジオ |
電源 | モバイルバッテリー・ポータブル電源・単三電池 |
トイレ用品 | 簡易トイレ・携帯用ウォシュレット |
日用品 | トイレットペーパー・ティッシュペーパー |
衛生 | 衛生用品・生理用品・ベビー用品・薬 |
食品 | 水・食料・ウォータータンク |
季節 | 夏場対策・冬場対策 |
その他 | キャリーカート・カー用品 |
備蓄量は、激甚災害を想定した一週間分が望ましいです。正直、もう災害はこりごりですし、この記事を読んでいる人にも災害にあってほしくありません。
ですが、いつ何が起こるかわからないのが現実でもあります。災害時でも家族全員が無事であり、不自由のない生活を送るために、今からでも災害に備えた備蓄を始めましょう。