津波

【最も恐ろしい自然現象の1つ】津波の威力と特長をわかりやすく解説

海に囲まれた島国である日本では、昔から幾度となく津波による被害が発生しています。これから先も大規模な地震による津波には警戒が必要でしょう。

この記事では、津波に対する認識を深めてもらうために津波の威力と特長について解説しています。津波の怖さを知ることにより、早めの避難がいかに重要かがわかる内容になっています。

たったの数十センチの津波だから大したことがないと感じるかもしれませんが、その数十センチの津波で命を落とす可能性があるのです。

最も恐ろしい自然現象の1つである津波から身を守るため、津波とはどういうものなのか知ることから始めていきましょう!

出典:https://www.photo-ac.com/

【威力の差】津波と波浪の違い

どちらも人を巻き込んでしまうほどの威力はありますが、津波と波浪では威力が全く違います。ここでは、津波と波浪の違いについて解説しますね。

波浪は海面付近で吹く風の影響によって波の高さが変わる現象です。海面付近にのみ変化が生じるわけですね。高波や高潮が当てはまります。

波浪は「波」なので、含まれる水の量は津波と比べると少なく威力は落ちてしまいます。とはいえ、簡単に人を飲み込んでしまう威力なので注意しましょう。

一方、津波は海底から海面までの海水全体が変動する現象となります。海面付近の波とは違い、海水全体が移動してくるので波浪と比べると威力は桁違いとなります。

津波と普通の波との差

水面に葉っぱが浮いていたとしましょう。普通の波であれば、葉っぱは波に揺れれだけでほとんど動くことはありません。ですが、津波の場合は波の移動に合わせて葉っぱも移動します。

「・・・それだけ?」と感じるかもしれませんが、この差は非常に大きいです。今回は葉っぱの話でしたが、もし葉っぱではなく車だったらどうでしょう?

津波は陸地で時速36kmもの速さで流れてきます。ということは、車も同じ速さで流されるということです。そんなものが人に直撃したらひとたまりもないですね。

また、津波は海水全体が襲ってくるので水圧もかなりのものになります。具体的に建物や人にどのような影響を与えるのか、次の項目で解説していきます。

津波の威力を知ろう【建物編】

津波の高さによって建物に与える影響は違ってきます。以下に津波の高さによる被害の想定をまとめました。

津波波高 1m 2m 4m 8m 16m 32m
木造家屋 部分的破壊 全面破壊
石造家屋 持ちこたえる 全面破壊
鉄筋コンクリートビル 持ちこたえる 全面破壊
防潮林 被害軽減 漂流物阻止
津波軽減
部分的被害
漂流物阻止
全面的被害
無効果

参考:気象庁ホームページ 津波波高と被害程度(首藤(1993)を改変)
参考元URL:https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq26.html

10mを超える津波なんて現実的じゃないと思うかもしれませんが、2011年の東日本大震災で実際に発生しています。

僕の住んでいた町では15mを超える津波が襲った結果、町一つが壊滅状態となりました。住宅はおろか、商業施設まで破壊されるほどの威力でした。

防波林や堤防までもが決壊していたので、上記の表の通りといえるでしょう。建物を破壊するほどの水圧が津波では発生するということですね。

津波の威力を知ろう【人間編】

建物と違い、人間に与える影響はさらに大きいです。たったの数十センチの高さの津波で人間に被害を与えてきます。具体的に見てみると、

津波の高さ 被害 死亡率
30cm 健康な成人なら何とか立てる
歩行が難しい
0.01%
50cm 車やコンテナが動き出す
何かにしがみついていれば立てる
4.8%
70cm 膝を越え水の力が強くなる
健康な成人でも流される
71.1%
1m 到底立てない
漂流物にぶつかる
死亡する確率が高い
100%

となります。特に注目したいのが、50cmで車やコンテナが動き出すことですね。それほどの重量物が膝くらいの高さの津波で動いてしまうのです。人間だったら立ってられないほどの威力でしょう。

また、津波の怖いところは水圧だけではありません。漂流物による被害も考えられます。東日本大震災での犠牲者の死因の9割が「水死」とされています。

津波による漂流物にぶつかり、意識を失ってそのまま亡くなってしまったというケースが少なくないので「水」だけが脅威という訳ではないのです。

どうして津波って威力が強いの?

津波の特長の1つに、水深が深いほどスピードが速く、陸に近づくほどスピードが落ちるというものがあります。最も深い場所では時速800kmもの速さになり、陸地では時速36kmとなります。

上図を見てみると、後ろの波が前の波にぶつかることによって波が大きくなっているのがわかります。沖合では比較的小さな波だったのが、陸地に到着する頃には大きな波となっているの訳なんですね。

加えて、前のでも解説しましたが、津波は海底から海面までの海水全体が変動しています。波が大きくなるということは、それだけ海水の固まりが大きくなるということです。

大きな水の固まりが時速36kmで突っ込んでくるのですから、威力は相当なものになるのも頷けますね。時速800kmで突っ込んでこないのが救いです。

津波の威力は「引き波」の時でも衰えない

津波が押し寄せてくる「押し波」の後には、津波が引いていく「引き波」というものがあります。津波が引いていくのでホッとしてしまいがちですが、この引き波もとんでもない威力なので注意が必要です。

実は、押し波よりも引き波の方が威力が強いとされているのです。前の項目の図を見るとわかりますが、押し波は坂を上っていくように陸へと近づきます。

引き波はその逆となるので、坂を下るように流れていきます。そのため、引き波の時の方がスピードが速くなるのです。東日本大震災の際には、海底が現れるほど勢いのある引き波が起こった所がありました。

この引き波のスピードに漂流物が加わるので、押し波の時と比べると威力は跳ね上がるのです。押し波の際には無事だった建物が、引き波の際に倒壊するケースがあります。

津波は威力だけでなく範囲もケタ違い

津波の発生する範囲には際限がありません。例えば、1960年に発生したチリ地震津波では、地球の反対側にある日本にまで津波は到達しました。

「そこまで離れているのなら大した津波じゃないでしょ?」と思ってしまいますが、最大6mの津波が日本を襲ったのですから驚きです。

日本に津波が到達するまでの時間は22時間半と、まる一日かけて地球の反対側に到達したことになります。距離にして約17000kmですね。

地球の直径=12742km

地球の反対側にも関わらず、大きな被害をもたらすほどの威力と到達範囲は、自然災害の恐ろしさを痛感します。

津波は必ず「引き波」からはじまるの?

津波といえば「引き波」の後に襲ってくると聞いたことがありませんか?そのため、津波警報が発表されたら引き波を確認する方もいると思います。

僕自身も「津波=引き波から」というイメージがあったので、引き波がなければ「津波はこないな」と安心して避難しなかった経験があります。運がよかったですね・・・。

実は、津波は必ず引き波からはじまるわけではありません。いきなり大きな波がやってくるケースがあります。

この「引き波の有無」は観測することが困難なので、避難をする際の目安にはなりません。過去には、そのせいで逃げ遅れた事例があったそうです。

津波は甚大な被害をもたらす威力だからこそ避難する

出典:https://www.ac-illust.com/

正直な話、津波への対策は「早めの避難」しかありません。人の力ではどうすることもできないのが現状です。

堤防があるから、防波林があるから、過去に大きな津波が襲てきたことがないから、といった理由で警戒を緩めるのは大変危険です。

また、引き波がないから津波はこないだろう、といった思い込みで避難をしないのも危険な行為といえるでしょう。

津波からの避難は時間との勝負です。大規模な地震が発生した場合や津波警報が発表された場合には、早急な避難が重要になります。

まとめ

津波は波浪と違い、海底から海面までの海水全体が変動します。大きな水の固まりが時速36kmもの速さで襲ってくるため、人や建物などに甚大な被害を及ぼすのです。

津波の高さが2mを超えると木造住宅が、1mを超えると人の死亡率が100%になります。特に注意したい点として、50cmほどの津波で車やコンテナが動き始めるので、漂流物に激突する可能性があるということです。

津波の規模が小さいからといって油断はできないということですね。また、津波は「引き波」の際に最も威力が増します。「押し波」に耐えることができても、引き波で流されるケースがあります。

桁違いの威力と、地球の反対側にまで到達するほど範囲が広い恐ろしい自然現象。人的被害を防ぐため「早めの避難」を心掛けるようにしましょう。

【東日本大震災での被災経験】津波から避難する際の3つのポイントこの記事では、実際に東日本大震災で被災した経験をもとに、津波から避難をする際のポイントを3つ紹介しています。他にも、避難に役立つ知識を紹介しているので、避難場所・避難経路を決めるのに役立つ内容になっています。...
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