近年、猛暑日が続いたり記録的な集中豪雨が襲ったり、以前と比べて気象状況が変わってきたと感じますよね。
この記事では、異常気象について取り上げていおり、その中でも台風・異常気象・地球温暖化の3点の関係について焦点を絞っています。
異常気象の定義や原因だけでなく、地球温暖化が台風に及ぼす影響を解説しているので、異常気象について理解を深めることができる内容になっています。
特に地球温暖化が台風に及ぼす影響では、これから先変わるであろう台風の様相について解説しているので必見です!
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目次
異常気象ってなに?

気象庁では「ある場所(地域)・ある時期(週・月・季節)において30年間に1回以下の頻度で発生する現象」と定義されています。
また、世界気象機構では「平均気温や降水量が平年より著しく偏り、その偏差が25年以上に1回しか起こらない程度の大きさの現象」としています。
要は、「〇年に一度の確率」というやつですね。大雨や暖冬、冷夏、長期間の干ばつといった、通常とは違う偏った気候のことを異常気象と呼んでいます。
気候だけでなく、梅雨や降雪時期の異常なずれや、開花や冬眠の時期のずれも異常気象に含められていますね。
台風も異常気象となりうる
台風は南シナ海で誕生し、日本で温帯低気圧になって消滅することが多いです。また、7月~10月の時期に発生しやすいですね。
極端な話になってしまいますが、真冬の時期に台風が多発し、日本に上陸しても全く勢力の衰えない台風が発生したとしましょう。
明らかにおかしいですよね。このように、自然災害であっても勢力の変化や発生時期に偏りが見られると異常気象となります。
異常気象は地球温暖化が関係している?

地球上の大気の流れというのは一定ではありません。小さな変動であったり乱れが起こっているものです。異常気象の多くは、この乱れや変化の中で悪条件が重なった時に起こるものとされています。自然変動と呼ばれるものですね。
他にも、火山の噴火によるものや太陽活動の変動といった様々な要因がありますが、異常気象の原因として気になるのが地球温暖化です。
地球温暖化が異常気象の一因となっているのでは?という指摘は以前からあります。現に、1900年代と比べると降水量の増加や気温の上昇が見られています。
近年では、記録的な猛暑日となったり、災害クラスとなる集中豪雨が増えていますね。人為的な要因による気候の変動は、異常気象の引き金となっている可能性は十分にあります。
また、地球温暖化になることで台風の様相が変わるかもしれないというのはご存知でしたか?詳しくは後の項目で解説しますね!
どうして地球温暖化になるの?

ここでは、地球温暖化となる原因の中で、私たちの生活に関わっている「人為的な要因」について解説していきます。
結論から言えば、地球温暖化の人為的な要因は「温室効果ガスの増加」によるものです。私たちが普段の生活や仕事の中で、石炭や石油・天然ガスといった燃料を使っています。
プラスチック製品やゴム製品なんかにも上記の燃料が使用されていますね。この燃料を燃やすことによって二酸化炭素などの「温室効果ガス」が排出されます。大気中の温室効果ガスの濃度が高くなることによって気温が上昇するわけです。
温室効果ガスは、地面から上空に放出される熱を蓄積して、再び地上へ熱を戻す役割をしています。温室効果ガスがなければ、地上の温度は氷点下となってしまいます。
ただし、温室効果ガスの濃度が高いと、熱を地上に戻す量が増えてしまうので気温が上がってしまうのです。
他にも、森林や水田といった植生域の減少やアスファルト道路や鉄筋コンクリート造の建築物の増加も気温上昇の要因となります。
地球温暖化と似たようなもので「ヒートアイランド現象」というものがあります。詳しくはこちらで解説しているのでチェックしてください!

地球温暖化と台風の関係

地球温暖化がこのまま進んでいくと、台風の様相が変わってしまうとの見方があります。具体的にどのように変わるのかというと、台風の発生回数は減少するが、勢力は大きくなるというものです。
どうして台風の発生回数が減少するの?
地球温暖化になると海水面の温度は上昇し、台風のもととなる水蒸気が大量に発生します。この水蒸気は上空で冷やされることによって雲となるのですが、水蒸気は冷やされる際に熱を放出するのです。
水蒸気の量が増えるということは、放出される熱の量が増えることになるので上空の温度が上昇します。上空の温度が高くなるということは、大気の状態が安定するということなのです。
「大気の状態が不安定」と呼ばれるのは、地上の温度が高く、上空の温度が低い時のことを指します。
反対に「大気の状態が安定」というのは、地上と上空の温度差が小さい場合のことです。
台風はいくつもの積乱雲が集まったものです。そして、積乱雲は大気の状態が不安定な時に発生するもの。
つまり、地球温暖化により大気の状態が安定することで上昇気流が弱まり、積乱雲が発生しにくくなるため台風の発生回数が減少するのでは?という考え方なんですね。
どうして台風の勢力が大きくなるの?
水蒸気が冷やされる際に発生する熱は、台風の発生を減少させる側面をもちますが、台風の勢力を増加させるという側面もあります。
台風は暖かい空気でできているため、水蒸気から放出される熱は台風を成長させるエネルギーとなるのです。
地球温暖化により発生する大量の水蒸気は、台風にとってこの上ない栄養源となるわけなんですね。
ですので、一度台風が発生してしまうと水蒸気から放出される熱によって、自力でどんどん成長してしまうので台風の勢力が大きくなりやすい。という考え方なのです。
台風への対策を見直そう

前の項目で少し不安になった方がいるのではないでしょうか。先程の解説は21世紀後半の台風の様相を予測したものです。すぐに台風の様相が変化するというわけではないので安心してくださいね!
ですが、現在進行形で気温の上昇や海水面の上昇が起こっているのは紛れもない現実です。大きな変化はないにしろ、台風が異常気象となりやすい環境であることに変わりありません。
飛散物から窓ガラスを守るために雨戸やシャッターの設置、住宅が損傷した際の修理費用の助けとなる保険、ライフラインがストップした時のための備蓄といった対策は十分ですか?
命を守るために避難場所や避難経路の選定や、台風接近時の情報収集のツールは用意していますか?
台風は発生する季節がわかりやすい災害です。その時になって対策をしても手遅れとなるので、台風の発生する季節がやってくる前に台風対策を済ませておきましょう。
まとめ
「ある場所・ある時期において30年間に1回以下の頻度で発生する現象」である異常気象。その多くは大気の変動や小さな乱れが重なった時に起こるものです。
ですが、自然変動だけでなく人為的な要因によっても異常気象は起こります。その最たる例が地球温暖化ですね。
地球温暖化になることによって気温や海水面の温度が上昇し、将来的には台風の様相を変えてしまうと考えらえています。
その中で特に警戒したいのは「台風の勢力が大きくなる」ことです。今までは台風による被害が少なかった地域でも、これから先気候の変化によって台風による被害が発生するかもしれません。
台風は7~10月と発生する時期が予測しやすい災害です。時期が来る前に早めの台風対策をしておくようにしましょう。
