台風

【最悪の台風】歴代の台風による被害の大きさをランキング形式で紹介

災害大国である日本では、過去に何度も大規模な台風が襲ってきています。その時の状況というのは気になるものですよね。

この記事では、過去に国内で発生した台風で被害の大きかったものをランキング形式で紹介しています。

甚大な被害となった背景にはどのような要因があったのかに焦点をあてて紹介しているので、これから先発生するであろう台風災害への対策に役立つ内容になっています。

他にも、番外編として世界の台風ランキングと地球史上最大の台風を紹介しているので、ちょっとした知識として読んでみてください!

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台風による被害の大きさランキング【1位 伊勢湾台風】

第二次世界大戦後としては1995年に発生した阪神・淡路大震災が起こるまで、国内の自然災害では犠牲者の数は最多、台風災害では現在でも最多となる最悪の災害です。現在運用されている台風の特別警報はこの伊勢湾台風が基準とされていますね。

伊勢湾台風は予想進路が正確であり、上陸も早い時期から確実視され、関係各庁や自治体では早期の対応や警報の発令といった対策を講じていたのにも関わらず、紀伊半島から東海地方を中心に甚大な被害をもたらしました。

被害拡大の要因として、想定外の高潮が発生したことが挙げられます。名古屋港では海面の水位が3.89メートル上昇しました。これは、堤防の高さ(3.38メートル)を超えるほどの水位の上昇だったのです。

さらに、土地開発による地盤沈下や堤防の決壊、市街地では高潮に対する対策が不十分だったことが被害を拡大させる要因となりました。この大災害により、日本の災害対策は根本から見直されることとなったのです。

ちなみに、翌年5月には観測史上最大の地震となるチリ地震津波が発生しており、やっとの思いで高潮・豪雨による水が引いた後に、今度は津波が襲ってくるというありえない展開となっています。

伊勢湾台風の詳細
名称 国際名 上陸日 中心気圧  最大風速 瞬間最大風速
伊勢湾台風 Vera 1959年9月26日 929hPa 45.4m/秒 55.3m/秒
被害状況
死者 行方不明者 負傷者 住宅被害 浸水被害
4,697名 401名 38,921名 833,965棟 363,611棟

台風による被害の大きさランキング【2位 室戸台風】

中心気圧が911.6hPaという記録的な台風となった室戸台風。これは日本本土に上陸した台風の中で、上陸時の中心気圧が観測史上1位となる記録です。最大瞬間風速は60m/秒を観測したところで観測機が故障してしまったため、正確な風速はわかっていません。

この暴風により、大阪・京都・滋賀では学校の校舎の倒壊が相次ぎ、多数の児童が犠牲となりました。当時は校舎が木造であったこと、最大風速に達したのは登校時刻となる午前8時前後だったことが大惨事とつながったのです。

また、4メートルを超える高潮が発生しており、急激な水位の上昇に避難が間に合わず、大阪湾一帯では約1,900名の犠牲者がでました。

ちなみに、1961年には中心気圧が918hPa、最大風速66.7m/秒、瞬間最大風速84.5m/秒という、とんでもねぇ台風が再度上陸しています。(第2室戸台風)

伊勢湾台風の2年後ということで、教訓を生かした災害対策がなされたことにより、被害は激減しました。

室戸台風の詳細
名称 国際名 上陸日 中心気圧  最大風速 瞬間最大風速
室戸台風 1934年9月21日 911.6hPa 60m/秒以上 60m/秒以上
被害状況
死者 行方不明者 負傷者 住宅被害 浸水被害
2,702名 334名 14,994名 92,740棟 401,157棟

台風による被害の大きさランキング【3位 枕崎台風】

1945年8月15日といえば、第二次世界大戦の終戦の日ですね。この1か月後、室戸台風に匹敵するほどの猛烈な台風が日本を襲います。台風だけに空気を読んでほしいものです。

当然のことながら、戦後間もない状況で気象情報の入手や災害対策は不十分となり、各地で大きな被害となります。特に被害の大きかった地域、と言われて勘のいいあなたなら気付くはず。そう、広島県です。

この台風では、土石流による被害が最も大きかったとされています。住宅地だけでなく、被爆者の治療を行っていた病院が土石流の直撃を受けたため、医療関係者や患者、調査関係者が犠牲となりました。

伊勢湾台風・室戸台風・枕崎台風は規模の大きさ、被害の大きさから「昭和の三大台風」と呼ばれています。

枕崎台風の詳細
名称 国際名 上陸日 中心気圧  最大風速 瞬間最大風速
枕崎台風 Ida 1945年9月17日 916.3hPa 51.3m/秒 75.5m/秒
被害状況
死者 行方不明者 負傷者 住宅被害 浸水被害
2,473名 1,283名 2,452名 89,839棟 273,888棟

台風による被害の大きさランキング【4位 洞爺丸台風】

洞爺丸台風は、高潮や洪水といった水害ではなく、暴風やフェーン現象による空気の乾燥によって北海道を中心に甚大な被害を及ぼした災害です。

フェーン現象ってなに?

暖かく湿った空気は山を登った際に水分が雲となるため、山を下る時には乾燥した空気となります。乾燥した空気は温度が上がりやすい特徴があるため、地上に降りた空気は高温となるのです。この現象を「フェーン現象」と呼びます。

函館港沖では、暴風により青函連絡船「洞爺丸」が沈没。死者・行方不明者合わせて1,000名を超える大惨事となりました。国内で発生した海難事故では最悪、世界でもタイタニック号・サルタナ号の沈没に次ぐ第3となる規模の海難事故です。

また、札幌の西に位置する岩内市では火災が発生するも、暴風により消火作業が困難となるばかりか次々と延焼していき、市街地の8割が焼失する大惨事となりました。戦後の火災のとしては全国で3番目の規模となります。

海難事故は「洞爺丸事故」、火災は「岩内大火」と呼ばれ、現在でも記録に残るほどの災害を発生させたのが洞爺丸台風です。台風は規模だけでなく、条件により被害が甚大になるという例ですね。

洞爺丸台風の詳細
名称 国際名 上陸日 中心気圧  最大風速 瞬間最大風速
洞爺丸台風 Marie 1954年9月27日 956hPa 42.0m/秒 53.2m/秒
被害状況
死者 行方不明者 負傷者 住宅被害 浸水被害
1,361名 400名 1,601名 207,542棟 103,533棟

台風による被害の大きさランキング【5位 カスリーン台風】

上陸時のカスリーン台風は勢力が弱まっていたため風による被害は少なかったとされています。ですが、台風の接近で停滞していた前線が活発になった事により、関東・東北を中心に大雨となり甚大な被害を及ぼしました。

9月14日~15日にかけての主な降水量は、秩父610mm、箱根532mm、日光467mm、前橋391mm、仙台186mmとなっています。

栃木県、茨木県では土石流、東北では北上川の氾濫により多数の犠牲者がでました。また、利根川や荒川の堤防の決壊により埼玉県、東京都の各地で大規模な浸水被害がでるなど、歴史に残る大水害となったのです。

埼玉県加須市にある「カスリーン公園」では、当時の大災害を忘れないためモニュメントが設置されています。ちなみに、加須市ではカスリーン台風により350mに渡って堤防が決壊し、町全域が水没しています。

カスリーン台風の詳細
名称 国際名 上陸日 中心気圧  最大風速 瞬間最大風速
カスリーン台風 Kathleen 1947年9月15日 960hPa 45.0m/秒
被害状況
死者 行方不明者 負傷者 住宅被害 浸水被害
1,077名 853名 1,547名 9,298棟 384,743棟

他の台風ランキングも見てみよう

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ここでは、被害の大きさではなく「中心気圧」「最大風速」「瞬間最大風速」といった台風の強さそのもののランキング1位を紹介しています。過去にはどれほどの台風が発生していたのか気になるところですね!

中心気圧 1位【沖永良部台風 907.3hPa】

1977年9月9日、鹿児島県の奄美群島に位置する沖永良部では観測史上1位となる最低気圧907.3hPaを記録しました。

最大風速は39.4m/秒、瞬間最大風速は60.4m/秒を観測し、その後、猛烈な風により風速計の支柱が傾き、観測が不可能となる離れ技をやってのけました。

室戸台風は上陸時の中心気圧が観測史上1位なので、ごっちゃにならないよう注意してくださいね!

中心気圧ってなに?

台風の規模を表すものとして中心気圧が挙げられます。「中心気圧ってなんなのさ?」と気になる方もいることでしょう。

中心気圧とは、台風の中心部分の気圧のことです。台風は「熱帯低気圧」のことを指すので、低気圧ということになりますね。

周囲よりも気圧の低い低気圧は、周囲の空気を引き寄せる特徴があります。つまり、低気圧になればなるほど、周囲の空気を引き込み台風のエネルギーとなる熱の元(水蒸気)を吸い込んで台風が成長しやすくなるです。

中心気圧が低くなるほど、規模の大きな台風になりやすいのですね。とはいえ、必ずしも中心気圧の低さに比例して風が強くなるというわけではありません。

最大風速 1位【富士山 72.5m/秒】

1945年4月5日に富士山で観測した72.5m/秒が1位です。70m/秒となると時速252kmの速さ、新幹線の上に立っているようなものですね。

木造の建物の倒壊、鉄筋構造物の変形、樹木や電柱の倒壊といった被害が発生します。人は簡単に飛ばされてしまうでしょう。FUZIYAMA恐ろしいですね・・・。

「山の上だし、地上だとこんなに風速でないでしょ」と思うかもしれませんが、1965年9月10日に発生した台風では、室戸岬で最大風速69.8m/秒を観測しています。

瞬間最大風速を含めれば発生回数はさらに増えます。滅多に発生するものではありませんが、地上でも発生する可能性はあるということですね。

最大風速と瞬間最大風速

この2つの言葉は台風情報のなかで耳にしますよね。似ている言葉なので同じように感じてしまいますが、伝えている情報は違うものです。具体的にどのような情報なのかというと、

  • 風速(平均風速):10分間の平均風速
  • 最大風速:風速の最大値
  • 瞬間風速:3秒間の平均風速
  • 瞬間最大風速:瞬間風速の最大値

です。ここで注意したいのは、最大風速は平均値を伝えているということです。風は常に一定の強さで吹いているわけではないですよね。

例えば、最大風速が20m/秒だったとして、10分間の間に5m/秒の時もあれば40m/秒の強さの時もあるでしょう。

発表されている最大風速の情報より強い風が吹いている時間が必ずある、ということです。それを伝えるのが瞬間最大風速というわけですね。

最大瞬間風速 1位【富士山 91.0m/秒】

日本が誇るマウント富士。2冠達成です。時速に換算すると327.6km/h、F1並みの速度で風が吹いていることになります。もはや轟音で音が聞き取れないレベルですね。

ちなみに、富士山は最低気温でもー31.0℃の記録でランキング1位となっています。3冠達成ですね!

富士山は標高が日本一高いことでも有名です。さりげなく4冠達成。標高が高いところは気象が荒いということですね。登山をする際には気象に注意したいものです。

【番外編】台風の世界ランキング

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世界は広いもの、私たちが想像もつかないような気象現象が起こっているものです。ここでは、「中心気圧」「最大瞬間風速」「被害の大きさ」の3つに焦点をあてて紹介していきます。

中心気圧 【昭和54年台風第20号 870hPa】

1979年10月に発生した台風です。発生当初は規模の小さいものでしたが、その後徐々に発達していき、日本最南端の島である沖ノ島の南東で最盛期を迎えます。

中心気圧は870hPaを記録。これは、観測史上世界で最も低い中心気圧です。最大風速は70m/秒だったとされています。

日本に上陸した時には最盛期ほどの勢力はありませんでしたが、それでも台風の規模は大きく、全国に大きな被害を及ぼしました。

870hPaという中心気圧は海上で記録されたものです。もし陸上で観測されていたと思うとゾッとしますね。

最大瞬間風速 【サイクロン Olivia(オリビア) 113.3m/秒】

1996年4月、オーストラリアのバロー島において観測されたものです。時速に換算すると408km/h。

世界最速のピッチングマシンが時速300km/hなので、それを超える勢いとなります。サイクロンよりも時速300km/hの球威で野球をしようとしていることの方が恐ろしいですね。

被害の大きさ 【ボーラ・サイクロン】

1970年11月に現在のバングラディッシュとインドを襲ったボーラ・サイクロン。このサイクロンにより20万~50万人が犠牲になったとされており、台風災害だけでなく自然災害の中でも最悪なものとなっています。

高潮や洪水による被害が大きく、上陸した時間帯が満潮に近かったこともあり、10mもの高潮が発生した場所があったほどです。

また、現地では高潮に対する警戒が薄かったため、避難したのは1%ほどだったことも被害が拡大した要因の1つといえるでしょう。

【番外編】地球史上最大の台風

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約6億年前の地球は、全球凍結と呼ばれる地球全体が氷に覆われている状態でした。スノーボールアースともいわれていますね。

氷に覆われた状態だと海水が二酸化炭素を吸収しないため、温室効果による気温の上昇が抑制されません。そんな中、火山の噴火により二酸化炭素が排出され、大気中の二酸化炭素濃度はさらに増加します。その濃度は現在の約400倍だったとされています。

大量の二酸化炭素による温室効果により、最大で100℃もの気温の上昇が起きました。最終的には平均気温は40℃程度となることで氷が溶けだし、全球凍結状態から脱したわけですね。

この温暖化した気候の影響により、地球上では大規模な嵐が頻発します。ハイパーハリケーンと呼ばれるもので、中心気圧は300hPa、最大風速は300m/秒、暴風圏は数千kmにも及ぶものです。

ちなみに、時速に換算すると1080km/hで、マッハ1(1224km/h)に匹敵するほど。おめでとうございます。こうしてみると、自然の力には敵わないと痛感しますね。

まとめ

過去の台風被害を教訓として、現在では災害への対策がより強いものになりました。そのため、記録に残るような甚大な被害となる可能性は少なくなったといえます。

ですが、完全に被害がなくなるわけではありません。これから先、想定外となる規模の災害が発生する可能性があるでしょう。

個人ができる災害対策として最も有効なのは「安全な場所に避難すること」です。天気予報等の情報をもとに、早めに安全な場所へ避難することによって自分の身を守ることができます。

今回ランキング形式で紹介した過去の自然災害を、災害への関心を高めるうえで役立ててもらえると幸いです。

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