都市部の災害

【都市部で大規模な災害が発生したら】津波による被害を想定する

大規模な津波はそうそう体験するものではありません。もしかしたら、一生経験することはない可能性もあるでしょう。特に、過去津波による被害が少ない地域であれば、津波への関心が薄いかもしれませんね。

この記事では、都市部に住んでいる方に向け、津波が到来した場合の被害の想定について取り上げています。

これから先、発生する可能性のある「南海トラフ地震」により、都市部ではどのくらいの被害が想定されているのか、どのような被害が起こるのか紹介しています。

また、津波の威力やスピードといった豆知識や、津波への対策を紹介しているので、津波の怖さ・身を守る方法を知ることができるでしょう。あなた自身や家族を守るため、当記事を役立ててくださいね!

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過去にも都市部では津波による被害がある

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都市部では、津波による被害はあまり知られていないように感じます。都市部に住んでいる方の中には、災害が発生しても「津波なんてくるはずがない」と思っている方もいることでしょう。

事実、過去100年間を遡ってみると、都市部で津波による甚大な被害は発生していません。もともとが大きな津波が発生しにくい地形でもあるからですね。

ですが、100年以上前を遡ってみると、現在の都市部とされている地域にも津波は到来しています。東京だけでなく、大阪や名古屋にも津波による被害はでているのですね。

例えば、1707年に発生した「宝永地震」。南海トラフを起点とした記録に残る日本最大級の地震です。この地震により、現在の都市部とされている地域では津波による被害があったそうです。

南海トラフ地震による津波の被害を想定

現在、発生が危惧されている南海トラフ地震。100~150年の周期で繰り返し発生している海溝型地震で、1944・1946年に発生した昭和地震を最後に、現在まで70年以上が経過しています。発生周期に近づいているため、警戒を呼び掛けているのですね。

内閣府では、この地震により最大で「建物の全壊・焼失 約238万棟」「死者 約32万人」と被害の規模を想定しています。

うち、津波による建物の全壊は約15万棟、人的被害は最大で約23万人と試算しています。人的被害に至っては全体の約7割が津波によるものなので、いかに津波の対策が重要になるかがわかりますね。

参考:内閣府防災情報のページ 南海トラフ巨大地震の被害想定について(建物被害・人的被害)

参考元URL:http://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/taisaku_wg/pdf/1_sanko2.pdf

都市部では津波の高さが数メートルと想定されている

政令指定都市である大阪市・堺市・神戸市・名古屋市・横浜市では、南海トラフ地震による津波の高さは5m以下であると予想されています。

浜松市・静岡市・川崎市は、5mを超える津波が発生する可能性があるので、津波には十分に警戒することを強く勧めます

東日本大震災であったような巨大津波が到来する可能性は低いでしょう。とはいえ、津波による被害がまったく想定されていないわけではありません。

では、津波によりどのような被害が想定されるのか、次の項目で解説します。

都市部では津波による浸水の被害が想定される

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政令指定都市の7割は海に面しています。といっても、海に面していないのは20都市あるうちの「さいたま市・相模原市・京都市」の3都市だけなので、ほぼ政令指定都市は海に面していると言えるでしょう。

特に海沿いの地域では、津波による浸水の被害が予想されています。場所によっては、景観を守るために堤防が設置されていないところもあるでしょう。

また、地震による地盤沈下や液状化によって堤防が沈み込み、機能しなくなる可能性は十分に考えられます。

そうなれば、本来防げるはずの津波であっても、堤防を乗り越え住宅が浸水してしまう被害がでてしまいます。

津波の厄介なところは浸水だけではありません。塩水によって木が腐るため、一般住宅であれば大切な柱が浸水によって腐ってしまうこともあるでしょう。

また、家庭菜園や畑を持っている方であれば、塩水を含んだ土では作物が育たなくなるため、土壌を一から作り直さなければいけません。

他にも、長時間浸水が引かない「たん水」の問題があります。東日本大震災の際、僕の住んでいたところでは3ヶ月以上たん水が続いた所もあり、住宅街で起こったとすると長期間の避難生活だけでなく、住宅自体がダメになってしまうでしょう。

【穏やかだからこそ注意!】都市部で津波が発生した場合の注意点

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都市部では、津波の高さが5m以下になると予想されており、その場合、比較的穏やかな津波となります。ですが、穏やかな津波だからこそ注意したい点があります。

それは、津波の到来が目で見てわかりにくいという点です。東日本大震災であった巨大な津波の場合は、轟音と土煙のようなものが巻き起こるので、遠くから見てもわかるほど津波の到来がわかりやすいです。

そのおかげで「ヤバい!」と感じて、さらに遠くまで逃げて助かった人も大勢いました。

目に見えてわからないということは、それだけ判断が遅れてしまいます。気が付いたら津波が目の前に迫っていた・・・、なんてことになったらもう手遅れです。

水の力は強力で、たったの数十センチ程の津波であっても身動きがとれなくなってしまうものです。

【数十センチで歩けない】津波の威力を知る

実際にどのくらいの高さの津波がどれほどの威力なのか見ていきましょう。

津波の高さ 津波の威力 死亡率
30cm
  • 健康な成人なら何とか立てるが歩行は困難
0.01%
50cm
  • 何かにしがみついていないと立っていられない
  • 車が浮き出す
4.8%
70cm
  • 健康な成人でも流される
  • 水の力が強くなる
71.1%
1m
  • 立つことができない
  • 漂流物にぶつかり死亡する確率が高い
100%
30m
  • 鉄筋コンクリートの建物が倒壊
  • 鉄筋すら流されて更地になることも
100%

津波の高さが50cmを超えると立つことができなくなり、70cmを超えると一気に死亡率が高まります。

また、津波の恐ろしいところは水に力だけでなく、漂流物も脅威となるところです。車などの重量物が勢いよくぶつかってきたら、ひとたまりもないですからね。

30cmであっても、津波に足をとられて転倒してしまう可能性が高いです。足をとられた場所が階段だったら危険ですよね。たった数十センチの津波であっても楽観できない事がわかったでしょうか。

【逃げ切れない速さ】津波のスピードを知る

津波ってどれくらいの速さなのか意外と知らないものです。結論から言えば、水深が深いほど早く、陸地に近づくにつれて遅くなります。具体的に、時速で表すとどのくらいの速さなのか見ていきましょう!

水深 時速 同等の速さのもの
5000m 800km 飛行機
500m 250km 新幹線
100m 100km
10m 36km オリンピック100m走

津波の速さより、オリンピックの100m走が時速36kmもあることに驚きました。これだけの速さから逃げ切るのは無理ですね。

ちなみに、この速度の関係は津波の高さが大きくなる原因となります。水深の深いところでは波が低いのですが、速度が速いため先にある波に追いついてしまいます。

先にある波に追いつくことで、押されて波が大きくなってくため、陸地に近づくにつれて波か高くなっていくわけです。

【津波てんでんこ】津波による被害を想定して対策を練る

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津波に有効な対策は「高い場所へ避難する」の一言に尽きます。というか、これしか対策のしようがありません。それほど津波の力は脅威だということです。

「津波てんでんこ」という言葉を聞いたことはありませんか?「津波がきたら、自分の命を守るために物や他人に構わず各自で高台へ避難する」というものです。

さて、ここで1つ質問をしたいと思います。津波てんでんこを意識した場合、どの対応が正しいのか考えてみてください。

お母さんは買い物に出かけていて、家には小学生の子供が一人留守番をしています。そこへ大津波警報が発令されました。お母さんがとるべき行動は次のうちどれでしょうか?

  1. 子供の様子を見るため家まで帰る
  2. 子供も避難していると信じて、急いで高台へ避難する
  3. 電話やメール等で、子供と連絡がとれるまで避難しない

正解は「2」です。この答えに納得できない方がいるかもしれませんね。確かに自分だけ逃げるのは冷たい感じを受けますが、この対処が津波から身を守る正しい方法です。

また、津波てんでんこには、もう1つ重要なことがあります。それは、周知させることです。先程の問の場合は、留守番をしている子供に「津波がきたら親に構わず一人で高台へ逃げる」ということを徹底させることが大切です。

だからこそ、お母さんも子供が避難したことを信じて、一人で避難することができるのですね。実際、東日本大震災の際、ある地域では子供たちがこの教えの通り各自で避難をして津波から逃れることができました。

ちなみに、1番と3番は子供を迎えに行っている間、連絡を取り合っている間に津波が到達してしまう可能性があります。前の項目で解説しましたが、津波は非常に速い速度で到達するので、即座に避難する必要があるのです。

津波は何度も押し寄せる

津波の習性として、1度だけでなく2度・3度と繰り返しやってきます。場合によっては後から来る津波の方が、規模の大きい津波となるでしょう。

1度目の津波が引いた後に、家の様子を見に行って2度目の津波に流されるというケースもあります。

ですので、津波から避難したとしても、2度目・3度目の津波には十分な警戒が必要になります。しばらくは避難を続けることが重要ですね。

避難場所と集合場所を決めておく

いざ逃げるとしても、どこに逃げたらいいのか分からなければ避難しようがないですよね。そのために、家族間であらかじめ避難場所を決めておくことが大切です。

また、津波が引いた後の集合場所を決めておくと、合流がスムーズにいきます。住まいの地域のハザードマップを参考に決めておきましょう!

安否確認をするために、災害時の連絡手段を統一しておくことも大切ですね。

散歩がてらにでも実際に避難場所へ足を運んでみると、いざ避難する時でもスムーズに移動できるのでオススメですよ!

まとめ

過去、津波の到来が少ないとされる都市部でも、これから起こる地震によって津波による被害が発生する可能性はあります。

たとえ数メートルといった津波でも、津波の威力やスピードを考えると警戒しなければいけません。特に沿岸部に住んでいる方は、津波対策は必要になります。

津波から身を守るには、高台に避難するのが一番です。「津波てんでんこ」を家族全員で共有することにより、津波による被害を大幅に減らすことができます。

今から始めても遅くはないので、予想される巨大地震に備えて家族を守るため、津波への取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。

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