この記事では、野菜の常温保存の方法を紹介しています。ちょっとした手間で常温でも野菜を長く保存できるので、停電に備えた知識として役立つ内容になっています。
災害時には非常食を多く摂取するため、栄養が偏りがちになるもの。バランスのとれた食事をするためには野菜が必要不可欠です。
野菜の保存方法を知ることは災害対策の知識を得るだけでなく、家族の健康を維持することにつながるメリットがあるので、野菜の保存方法をチェックしてみてください。
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目次
常温保存について
一般的に常温保存は冷暗所での保存を想定しています。災害により停電になってしまうと、冷蔵庫やクーラーの使用ができなくなってしまうので現状で何とかするしかありません。
特に湿気が多く高温になる夏場だと、ほとんどの住宅では冷暗所を確保することが困難になります。
気温が14℃以下で、日光のあたらない風通しのいい場所
停電になってもしばらくの間は冷蔵庫内は温度が低いので、トマトなどの果菜類は冷蔵庫で保管しましょう。ダイコンやキャベツといった根菜類や葉菜類は保存に適した温度が低いので、冷凍庫に移すと長持ちします。
冬場に限れば、玄関前は日光があたりにくく、風通しがいいので保存に適しています。野菜の入れ物はダンボールがオススメです。
根菜類の常温保存の方法
大根

大根は葉っぱに栄養や水分を吸収されてしまうので、葉の部分を切り落とします。余裕をもって葉の付け根から1~2cm下から切り落としましょう。
切り落とした葉の部分は便秘解消や美肌に効果のある栄養素が含まれているので、無駄なく活用したいですね
人参

葉っぱが栄養や水分を吸い取ってしまうので、葉の部分を切り落としましょう。人参は湿気に弱いので、土を払い落としてから1個1個新聞紙で包んで、立てて保管するようにしましょう。コップを使うと立てて保管できます。
人参は発ガンを抑制する「カロテン」を多く含みます。ニンジンの葉っぱにもカロテンが多く含まれているので、ニンジン嫌いの子供に悩んでいる方は、ニンジンの葉っぱを食べさせると効果的です。
ごぼう

ごぼうは「土付き」と「土を洗い流したもの」が売られています。土を洗い流したものは、冬場の常温保管でも1週間と保存期間が短くなってしまうので、早めに食べるようにしましょう。
保存をするのなら、土のついたごぼうを新聞紙で包み、風通しのいい暗所で立てて保管するといいですね。
ジャガイモ

ジャガイモは光を浴びると緑化してきます。緑化を防ぐために新聞紙で包んでダンボールの中などの暗所で保管しましょう。1個1個新聞紙で包むのがベストですが、手間な場合は5個でひとまとめにして包んでも問題ありません。
また、土が付いていると湿気を吸い込んでしまうのでカビの原因になります。ジャガイモに付いている土は払い落しましょう。
ジャガイモ自体が冷蔵保存に向かない野菜なので、常温保存をしたほうが長持ちします。
里芋

里芋は適度な湿気を必要とします。土は払い落とさずに、新聞紙を被せて暗所で保管するようにしましょう。里芋の表面が乾いているようなら、少し湿らせた新聞紙を被せると長持ちします。
ジャガイモと同じ冷蔵保存に向かない野菜なので、常温保存すると長持ちしやすいです。
生姜

1個1個を新聞紙で包み、風通しのいい暗所で保管するようにしましょう。ちなみに、生姜は皮のあたりに抗菌作用・免疫活性作用のある「ジンゲロール」が多く含まれています。
生姜の皮は薄く食べることができるので、皮つきのまますりおろしたり、スライスして食べると、生姜の持つ体にいい効果をあますことなく摂取できます。
葉菜類の常温保存の方法
ネギ

ネギは、1~2本ごとに新聞紙で包んでから、立てて風通しのいい暗所で保管するようにしましょう。立てて保管するのは、野菜が育った状態と同じ状態にすることで、野菜にストレスを与えないためです。
ちょっとした手間ですが、これをするだけで日持ちします。ネギやごぼう等の細長いもの保管する際は、紙袋に入れることで倒さずに保管することができます。
タマネギ

タマネギは常温保存に適した野菜ですが、湿気に弱いという特徴があります。
1個1個を新聞紙で包んで暗所で保管する方法と、ストッキングに1個入れるごとに結ぶことで、タマネギ同士をくっつかないようにして暗所に吊るす方法があります。
キャベツ

キャベツは芯の部分に栄養や水分がとられていくので、芯の部分をくりぬきます。そして、芯の部分に湿らせたキッチンペーパーを詰めてから新聞紙で包んで暗所で保管しましょう。
キャベツは、適切な処理をせずに温暖な場所に置いておくと、1日もせずに腐り始めるほど暑さに弱いです。そのため、暑い時期はなるべく早めに食べきるようにしましょう。
白菜

芯をくりぬいてから新聞紙で包み、暗所に立てて保管するようにしましょう。キャベツにも言えることですが、切り口から傷みやすいので根元から1枚1枚葉をちぎって使うと傷みにくくなります。
ニンニク

ニンニクは湿気を通さないのが保存のコツとなるため、ストッキングなどを利用して風通しのいい暗所に吊るすと日持ちします。新聞紙で包んで暗所に保管するのも効果的です。
夏場の時期にはニンニクの芽がでやすいので、芽がでたら取るようにしましょう。
果菜類の常温保存の方法
トマト

新聞紙で包んで暗所で保管するようにしましょう。常温保存することにより、体に悪影響を及ぼす活性酸素を除去してくれる「リコピン」が増えるため、常温保存がオススメです。
なす

一本一本を新聞紙で包み、風通しのいい暗所で保管するようにしましょう。なすは90%が水分です。そのままの状態で保管すると、水分が蒸発してシワシワになるので注意したいですね。
ちなみに、なすの皮には老化を防止する「ナスニン」が含まれています。「皮が微妙に固くてなんかイヤだ」と皮を取り除くのはもったいないので、皮が気に入らない方は細かく切れ目を入れることで固さが気にならなくなります。
かぼちゃ

かぼちゃは保存のきく野菜ですが、カットしてしまうと傷みやすくなります。カットしていない状態であれば、新聞紙で包んで暗所で保管しましょう。
カットしてしまった場合は、種とワタをくりぬいてからラップでぴっちりと巻きましょう。種とワタには水分が多く含まれているので、そこから傷むためです。
きゅうり

きゅうりに付いている水を拭きとり、一本一本を新聞紙で包んでから立てて保管します。きゅうりは適温で常温保存をしても1~2日と日持ちしにくい野菜なので、早めに食べきるようにしましょう。
ちなみに、美味しいきゅうりの見分け方の3つのポイントは、「色ムラがない」「太さが均一」「トゲがなんか痛い」です。
ズッキーニ

きゅうりの仲間かと思いきや、かぼちゃの仲間であるズッキーニ。水分が重要になってくるので、1個1個を新聞紙で包んで風通しのいい暗所で保管するのがベストです。
シャキッとした食感はパエリヤとの相性がバッチリなので、ズッキーニを使ったレシピを覚えると夏場の料理の幅が広がります。
夏野菜なので、根菜や葉菜と比べて夏場の常温保存でも日持ちしやすいのがポイントです。
ピーマン

1個1個を新聞紙で包んで暗所で保管しましょう。ピーマンは野菜を熟成させる「エチレンガス」を発生させます。エチレンガスは野菜を腐らせる原因となるので、他の野菜と一緒にしないで分けて保管するようにしましょう。
野菜を包む新聞紙がない場合には

キッチンペーパーでも代用はできるのですが、野菜を丸ごと包むとなると結構な枚数を使います。
野菜を丸ごと包むことができる新聞紙がベストですが、新聞を購入していないところだと古新聞を確保するのが難しいものです。
古新聞を確保するのが難しい場合は、新聞紙と同じ材質の紙が売られているので、新聞紙が手に入らなくても野菜を包むことができます。
野菜を包むだけでなく、油を吸い取る、こぼしたものを吸い取る、敷き紙や荷物を送る際の緩衝材と、様々な用途に使えるのでオススメです。
まとめ
今回紹介した野菜の保存に適した温度と、常温(冷暗所)での保存期間をまとめると以下になります。
適温 | 常温(冷暗所)での保存期間 | |
ダイコン | 0~5℃ | 2週間 |
ニンジン | 0~5℃ | 1週間 |
ごぼう(土付き) | 0℃ | 2週間 |
ジャガイモ | 7~15℃ | 2~3ヶ月 |
里芋 | 10~20℃ | 1ヶ月 |
生姜 | 15℃ | 2週間 |
ネギ | 0~5℃ | 2週間 |
タマネギ | 0~5℃ | 2ヶ月 |
キャベツ | 0~5℃ | 1週間 |
白菜 | 0~5℃ | 2週間 |
ニンニク | 0~6℃ | 1ヶ月 |
トマト | 10~15℃ | 1週間 |
なす | 8~12℃ | 3~4日 |
かぼちゃ(丸ごと) | 10~12℃ | 2ヶ月 |
きゅうり | 10~13℃ | 2~3日 |
ズッキーニ | 10~15℃ | 1週間 |
ピーマン | 10℃ | 1週間 |
果菜類は夏に収穫するが多いので、比較的適温が高いのが特徴です。根菜類や葉菜類は秋や冬に収穫されるものが多いので、温度の低いところでの保存に適します。
災害はいつやってくるかわからないものなので、その時の季節に合わせて野菜を保存することで、少しでも長く保存することができます。
災害時には食料は手に入りにくくなるもの。栄養が偏りやすい災害時において、野菜は栄養価の高い貴重な食料となるので、災害対策の知識として野菜の保存方法を覚えておきましょう。
